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TORENDIA

母の手毬歌

本文約98,200字 ・ 読了時間 約197分

あらすじ(AIが作成しました)

明治時代の田舎で女の子が親しんだ木綿糸の手毬遊びについて綴る。木綿糸を巻き上げ色とりどりの糸で飾った手毬は、弾む楽しさや手作りの過程を通じて子供たちに愛された。本作は、麻から木綿への素材の移り変わりがもたらした手毬の変化や、母親が揚げ毬を好んで遊んだ記憶に触れながら、萱葺き屋根の維持に見る村の助け合いの精神や、天秤棒という道具がかつての暮らしの運送において果たした役割を歴史的視点から論じる。

柳田国男

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母の手毬歌

一、正月の遊び

皆さんは村に入って、うちに静かに暮らしているような時間は無くなったけれども、その代りには今までまるで知らずにいた色々の珍らしいことを、見たり聞いたりする場合は多くなってきた。村には前々からの生活ぶりをよく覚えていて、親切に話をしてくれる人があるものである。そういう話の中には、いつまでも役に立ち、また、永く楽しみになるものが多い。注意して聴いてかえり、年をとった人々、また弟や妹たちにも御土産にしなければならない。その一つのお手本として、わたしがもう六十何年ものあいだ、忘れずにいたことを一つ書いて見よう。

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