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TORENDIA

蘭郁二郎氏の処女作

本文約430字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

曲馬団育ちの美少女と醜い少年の悲恋の果てに心中する筋書きの「夢鬼」を繰り返し読んだ興奮を語り、蘭郁二郎の才能を讃える大倉燁子の書評。

大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子

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🎧 蘭郁二郎氏の処女作 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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「探偵文学」誌上で発表された時、非常な好評を博した蘭郁二郎氏の「夢鬼」がこの度上梓された。私は早速また繰返して読んだ。いくたび読んでも面白い。

妖魔の如き美少女葉子と、醜い憂鬱な少年黒吉との曲馬団の楽屋裏における生立から始まり、幼い二人はいつか互に愛しあうようになる。葉子にとっては戯れのようなこの恋も、黒吉にとっては実に命がけのものであったが、やがて移り気な彼女に捨てられる。恋に破れた彼は彼女を遂に殺し、その死体を抱いて飛行機から飛降り心中をするという終端まで一気に読んでしまった。そしてその後もなお妖しき興奮はなかなか冷めなかった。黒吉少年が最も得意とするブランコからブランコに飛びうつる曲芸がある、その空を切って懸命に影を描き得られたのではあるまいか。この点だけでも心霊学に造詣ふかい方だと想像される。「夢鬼」以下五つの短篇を添えてあるが、何れも興味ふかく読んだ。「歪んだ夢」もやはり心霊小説のような気がした。この五篇の中では「魔像」が一番面白かった。

完

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