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TORENDIA

非名誉教授の弁

本文約5,500字 ・ 読了時間 約12分

あらすじ(AIが作成しました)

東京大学の名誉教授ではない著者が、自身がしばしば誤って名誉教授と記載される現状を綴る。同大学での勤務年数が名誉教授の資格に満たない事実を説明し、大学や省庁による誤記載が続く背景や、名誉教授という肩書きに対する世間の誤解を論じる。著者は、肩書きによる社会的な効用を否定し、未知の相手に対しても肩書きではなく一個の人格として尊重し合う人間関係のあり方を主張する。

和辻哲郎

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🎧 非名誉教授の弁 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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わたくしは東京大学の名誉教授ではない。というよりも、わたくしには東京大学の名誉教授となる資格はないのである。しかるに近ごろわたくしは時々東京大学の名誉教授と間違えられる。間違えられたところで、それによってわたくしが何か利益を得るわけでもなければ、また間違えた人がそれによって何か損をするわけでもないのであるから、そんなことはどうでもよいことなのであるが、しかし事実と相違していることはちょっと気持ちの悪いものであるし、また人によると和辻はおのれの価しない「名誉」を不当に享受していると考えないものでもない。そういう誤解を受ければ、わたくしは名誉教授と間違えられることによって「名誉」を不当に享受するどころか、逆に不当な「不名誉」をうけることになる。暑さで仕事のできないのを幸いに、名誉教授にあらざるの弁を弄するゆえんである。

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