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TORENDIA

最近の感想

本文約1,400字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

千家元麿の脚本に対する批評家の姿勢や芸術論への憤り、および黒岩涙香が婦人参政権運動について論じた論文に対する疑念を綴る。著者は千家の脚本に漲る真実と情熱を評価し、一読を勧める。また、黒岩が英国の婦人運動に同情を示しつつも、根底には日本古来の男尊女卑の信条や婦人に対する偏見が透けて見えることを指摘し、その欺瞞的な態度や世間の無理解な噂話に対して鋭い批判を加える内容を収める。

伊藤野枝

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細々した日々の感想を洩れなく書きつけて見たらばと思ふが、まだなか/\さうは行かないものである。

最近の私の感じた事と云へば、「エゴ」の中の「家出の前後」と題する千家元麿氏の脚本である。私は前からあのグループの人達の書くものには可なりな興味をもつて注意してゐた。そして彼の人たちに対する他の人たちの態度をぢつと見てゐた。併し何時迄たつても一人として彼の人たちに目を向けやうとする人はなかつた。今も矢張りない。そして私も黙つてゐた。私はけれどこの上黙つてゐやうとは思はない、私は世間に沢山ころがつてゐる具眼者とか批評家が何の為めに、存在するか分らなくなつてしまつた。私は寧ろ腹立たしい。併しそれ等の批評家が芸術的気分がどうだとか或は技巧だとか云つてゐるのを聞くと情なくなる。何がわかるものかと思ふ。私はそれらの技巧や気分など云ふものが真実とか力強い情熱の前に如何に小さく価値のないものに見えるかと云ふことを一層この脚本に依つてたしかめ得た。

私はその内容だとかそれから人物だとか云ふそんな批評は此処に試みたくはない。それよりも私は先づそれを読んで下さい、と皆にたのみたい。恐らくは、そんな雑誌の存在をさへ知らない人が多いだらうと思ふ。是非よんで頂きたい、屹度々々それを読んだ人たちはあの物ぐるほしい程に充実しきつた真実、力強い熱と呼吸の渦巻の中に巻き込まれないではゐないだらう。

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