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TORENDIA

婦人問題解決の急務

本文約11,600字 ・ 読了時間 約24分

あらすじ(AIが作成しました)

人類の風俗の根本は夫婦にあると説く本書は、歴史的背景や社会的な変遷を紐解きながら、長年顧みられなかった婦人問題について論じる。西洋の個人制度と対比させつつ、日本の家族制度における夫婦の重要性を強調し、男女が社会や家庭で本来あるべき姿を模索する。将来的に避けては通れないこの課題に対し、感情的な議論に流されることなく、深い思慮をもって根本的な解決策を導き出す必要性を国民に訴える。

大隈重信

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一 風俗の根本は夫婦に在り  人類の進化は風俗に支配さるること大である。而して風俗の根本は、主として宗教的意識より導かれるもので、宗教の原始的意識は昔の神話に現れ、その神話が漸次に進化して、多神教より一神教となるに至ったが、風俗の進化は即ちこの宗教の進化と相伴っている。人類は社会的動物であって離鮮索居の孤寂が忍び難く、友を求めて共に歓楽するを喜ぶ。その故にここに風俗なるものが形成される。而してそれが宗教的生活と深い因縁を結ぶは何故ぞというに、元来宗教的意識なるものはあるいは神を恐れ、あるいは超自然的の力を信ずる事に存するので、そのために自己もしくは自己の家族、更に自己の民族のために、あるいは災害を免れんことを祈り、あるいは幸福安全を与えられんことを祈るに至るのだが、その祈りは一人よりも二人、二人よりも三人と言うが如く、衆を加うれば加うるほど力を生ずるように感ずることは人情の自然である。これが即ち寺院教会等の起源を為すもので、宗教も畢竟社会現象の一たるものだ。然るに社会的生活には、多少その間に娯楽なき能わず。ここに於て、歌舞音曲がいずれの国、いずれの派の宗教にも必然に具在するので、原始時代よりその如く、今にもその原始的生活を持続する野蛮の間にそれが見出される。多数集りて厳粛に祈祷するや、やがて讃美歌を歌い楽器の声がこれを助ける。更に起って舞踏をする。これ人類自然の性情の発動であって、かくの如きところに人々相親しむの機会が与えられ、これが風俗の根本を為して、一郷一党より更にその輪波を拡げて一国一民族の間に及ぼすことになる。風俗に純あり、不純あり、善あり、悪あり、従って善果のみとは言い難く、悪果もまた頗る大なるものが有るけれども、それの如何に論なく、その社会に及ぼす力の甚大なる一事は承認せなければならぬ。

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