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TORENDIA

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本文約520字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

下宿の二階で暮らす詩を志す女性は、兄からの仕送りで生活を立てながら、自身の才能の乏しさに苦悩する。周囲が懸命に働く中で、自分だけが何ら生計を立てられず、創作もままならない日々に葛藤を抱える。現実に押しつぶされそうな孤独の中、作家の言葉を道しるべに、文学の途をゆくことの意味を問い直し、一行の詩を書き残そうと葛藤する内面的な葛藤を綴る。

中野鈴子

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🎧 方向 / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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わたしはこの頃しきりに考える

自分というものについて

わたしは下宿の二階に兄のくれる金で暮らしている

それはわずかな金だ

けれども兄の彼が夜ヒル書きつづける血のしたたりなのだ

わたしはそれで米や炭をととのえ腹を満たしている

わたしの仕事は詩を書くこと、文学の途をゆくことになっている

わたしは机に向かって本を読む

あるいは書こうとする けれども書けない

わたしはうっ伏して足りない才能をかなしむ

心はたぎっても現わせない

わたしは本を伏せ インクのふたも忘れて外へ飛び出す

友だちのところではなす

一日一日は過ぎてゆくばかり

怒った父はいま手紙をくれ、母は衣服を送ってよこす

わたしはみんなに支えられている

時間は全部一人のもの

生活費さえあたえられて

みんなは働いている

子供が夜店に絵本を売っている

失業者がうえ死にしている

わたしはうろうろと居食いをしなければならないか

文学の途は遠くひらけている

現実が下がっている

未来の夢が呼びかける

ある作家の言葉を思い出す

物書きはいい たとえ足やハナが欠けていても

屋根裏ででも紙とペンさえあれば書きあらわせる

書くことによって人は苦しみから立ち上がって行ったのだと言うことを……

一行の詩

一つの断片でもいい

薄き智能をけずり

書きつづらねばならないだろう

完

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