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TORENDIA

幕末維新懐古談

本文約430字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

弟子入りする前夜、二度と帰るなと戒め、祖父を苦しめた声を出す芸事だけは決して覚えるなと涙ながらに訓誡した父の言葉を振り返る高村光雲の回顧談。

高村光雲

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🎧 幕末維新懐古談 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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さて、いよいよ話が決まりましたその夜、父は私に向い、今日までは親の側にいて我儘は出来ても、明日からは他人の中に出ては、そんな事は出来ぬ。それから、お師匠様初め目上の人に対し、少しでも無礼のないよう心掛け、何事があっても皆自分が悪いと思え、申し訳や口返しをしてはならぬ。一度師の許へ行ったら、二度と帰ることは出来ぬ。もし帰れば足の骨をぶち折るからそう思うておれ。

家に来るは師匠より許されて、盆と正月、一年に二度しかない。またこの近所へ使いに来ても、決して家に寄る事ならぬ。家へ帰るのは十一年勤めて立派に一人前の人に成って帰れ。……とこういい聞かされました。

そして、父は再び言葉を改め、

「今一ついって置くが、中年頃に成っても、決して声を出す芸事は師匠が許しても覚えてはならぬ。お前の祖父はそのために身体を害し、それで私は一生無職で何んの役にも立たぬ人になった。せめてお前だけは満足なものになってくれ」と涙を流して訓誡されました。

この事だけは私は今によく覚えております。

完

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