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TORENDIA

五色温泉スキー日記

本文約13,100字 ・ 読了時間 約27分

あらすじ(AIが作成しました)

雪への抑えがたい欲求に駆られた板倉勝宣ら三人は、スキーを携え五色温泉へと向かう。深い雪に包まれた山間で、彼らはスキーの練習に没頭し、転倒を繰り返しながらも雪山を自在に滑り降りる。宿では温泉に浸かり、炬燵で静寂な時間を共有する。都会の塵を洗い流すような雪の世界での生活を経て上野へと帰還した彼らは、雪のない汚れた街並みに違和感を覚えながら、自然と対峙したことで得た純粋な心持ちを綴る。

板倉勝宣

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僕の腹の中にいつの頃からか変な虫が巣を喰っている。十一月頃からこの虫が腹の中で暴れて、雪が食いたい、雪が食いたいとがなりたてる。そうすると身体中の血がにえ返って、雪の天地が目の前にちらついて、いても立ってもいられなくなってくる。試験が終りに近づく時分には、いよいよ暴れ方が烈しくなって早く雪を食わせないと腹の中で何をされるかよほど心配になってきた。僕が虫に襲われた以上、他にも虫喰いがいるはずだ。大変さがして廻ってやっと小池と小林がやっぱり虫喰いなのを見つけだした。三人の虫喰いが上野駅を午後九時の汽車で五色に向かった。以下記するところは虫の言い草で決して僕の考えでない。僕はただ速記者として忠実に筆記するのみである。

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