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TORENDIA

ソヴェト同盟の婦人と選挙

本文約3,800字 ・ 読了時間 約8分

あらすじ(AIが作成しました)

ブルジョア・地主支配下のロシアで家畜のように虐げられていた勤労婦人が、革命によるソヴェト政権の誕生を経てどのように権利を獲得したかを綴る。資本家層が女性を差別し賃金を搾取する構造的背景を解説し、労働者と農民が団結して社会主義社会を構築する過程を描く。また、選挙権を得た女性が託児所や病院といった社会福祉の拡充を目指し、ソヴェトの運営に積極的に参加する様子と、それが勤労階級の生活向上に直結している状況を詳しく報告する。

宮本百合子

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🎧 ソヴェト同盟の婦人と選挙 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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資本家・地主のロシアでは――

「牝鶏は鶏ではない。女どもは人間ではない」むかしロシアにはこういう諺があった。女は男よりねうちのないもので人間ではないと云うのだが、では、むかしロシアの女はどんな扱いをうけていたのでしょうか?

一口に云えば牛や馬のように扱われていた。牛や馬は或る家に飼われ、そこの主人がこきつかうままにこき使われ、食わされるものを食い、ナブられ、あげくによそへ売られれば、それが厭だという抗弁も出来ない。哀れなものです。

昔のロシアで、娘は親のいうことを絶対にきかなければならなかった。死ぬほどいやと思っても親同士が結納の取引をしてしまえば無理やり嫁に行かなければならなかったし、離婚も出来なかった。

ことに農民の婦人の生活はひどく、全くただ働く道具としてだけ考えられた。字を読むことも書くことも知らず、辛い心の訴えどころがないので、つい坊主にだまされ、一生喜捨をまき上げられる有様だったのです。

都会の勤労婦人の生活だって決してこれにまさったものではなかった。亭主はよくのんだくれる。そして女房を殴る。工場ではどうかというと、男と同じに汗水たらして働くのに、賃銀は半分ぐらいしか取れぬ。子供を腹にかかえても、休めば工場をクビにされるから無理押しに働きに出る。そういう勤労婦人が仕事台の下へぶっ倒れて赤ん坊を生み落すのは昔のロシアでは珍らしい出来事ではなかったのです。

赤ん坊を生んだって、ブルジョアの工場は休みをくれない。子をなすのはお前の勝手だ。工場の知ったことか。働かすためにお前を雇っているのだというから、また翌日からフラフラの体を押して働きに出る。亭主だって僅の賃銀をもらい、しかも酒を飲むから、女房が働かなければ口がすごせない。

工場へ赤ん坊はつれて行けないから、四つ五つの上の子に守をさせる。乳をのまされないから牛乳をあてがうが、赤ん坊の守をしている子は小さい。きっちり時間でなんか飲まされない。おむつもかえない。そんな有様で、どうしてかよわい赤ん坊は丈夫に育つでしょう。

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