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TORENDIA

討論に即しての感想

本文約14,900字 ・ 読了時間 約30分

あらすじ(AIが作成しました)

日本の戦後社会において、ファシズムに反対し平和と民主的な独立を確立するための努力がいかに切実な課題であるかを論じる。著者自身の体験や当時の政治的状況を振り返りつつ、文学が単なる宣伝や啓蒙に留まらず、労働者と共に歩む民主的な社会価値の建設に寄与すべきであることを説く。また、世界的な平和と民主化の流れの中で、日本人民の意志を世界へと結びつけ、反ファシズムの精神に基づく新しい文学の可能性を提起する随筆である。

宮本百合子

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私自身体が悪かったり病人があったりで、大会の準備に出席できませんでした。第二回民主主義文化会議に出席できなかったしこの大会の二日間も欠席しております。したがって系統だった報告はできません。けれども、こんにち私たち日本の人民にとって、世界ファシズムに反対して平和をまもり日本の人民としての生活と文化の民主的な独立を打ちたててゆく努力が、どんなに切実な課題であるかということについて、今日午後行われた討論にふれ、只今中野重治の行った報告にもそって一言のべたいと思います。

第一次大戦の後には、誰にでも知られているとおりヨーロッパには新しい芸術の流派として、ダダイズム、キュビズムなどが広汎な心理分析主義の流行の上に発生しました。第一次大戦によって中流階級が生活の安定を破られ、これまでの社会秩序と価値評価のよりどころを崩壊させられたことから、こなごなになった小市民的観念と感覚のきらめき、模索。二十世紀のブルジョア文学の最後の段階としてこれらの現象が生れました。同時にプロレタリア化した小市民の前進的な部分は広い幅でプロレタリア解放運動とプロレタリア芸術の動きに合流しました。そして、旧い王権は世界各国でその数をへらしました。

第二次大戦後の世界は、一層深い傷と破滅を経験して、中産階級の没落はもとより民族そのものの自立性さえもファシズムの暴力に対する抵抗の過程でおびやかされました。しかも日本・イタリー・ドイツのように三国連盟して、東洋と西洋の平和を攪乱したファシズム権力に引まわされた国々の人民生活の惨状は改めていうまでもありません。第二次大戦はファシズムの非人間性と狂暴な破壊性についておそろしい教訓を与えました。近代戦争の無制限な戦線拡大は、戦争の非人道性をあらゆる人におもい知らせました。戦争を嫌悪する心、平和な状態で平和な人民生活を安定させたいという願いは、第二次大戦でどっさりの血を流した世界にあまねく感じられている現在の要望です。

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