本文へ移動
TORENDIA

その先の問題

本文約1,800字 ・ 読了時間 約4分

あらすじ(AIが作成しました)

贅沢品禁止令に対し、一部の人々の特権的な振る舞いが制限されることへの社会的な爽快感や共感を分析する。しかし、この制度が庶民の生活の質の向上には直結しない実態を指摘し、困難な状況下で「皆も同じだ」と現状に甘んじる心理の危険性を論じる。社会の停滞を招く自己満足に陥ることを戒め、悪条件にあっても主体的に生活の質を改善しようと努める、本来あるべき婦人の態度と真の進歩への方角を模索する姿勢を綴る。

宮本百合子

速度
🎧 その先の問題 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 3

どんなひとも、贅沢がいいことだと思っていないし、この数年間のように多数の人々が刻苦して暮しているのに、一部の人ばかりがますます金銭を湯水のようにつかう有様を目撃していれば、いい気持のしないのは自然だと思う。今度の贅沢品禁止が、めずらしい人気で一般に迎えられたのも、この心理に即した面があったからだったと考えられる。贅沢をして暮すことなんかできない人々は、日頃贅沢をしてそれが自分たち人種の優越のしるしででもあるかのように振舞っていた人々が今度の禁止で、バカ贅沢ができなくなったことに一味の清涼を感じたのであった。

若い女のひと、まじめに働いている若い女のひとたちの心持に、今度の禁止が、そりゃそうだわねえ、と同感を生んだのは当然であろう。

宮本百合子の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本