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TORENDIA

メーデーと婦人の生活

本文約3,300字 ・ 読了時間 約7分

あらすじ(AIが作成しました)

五月一日のメーデーに際し、世界中で働く男女が連帯して行進する意義を説く。戦時中に弾圧された歴史を振り返りつつ、家計を支える日本の家庭婦人にとって、労働者の権利拡大や平和の実現が自身の生活向上と不可分であることを論じる。新憲法施行を控えたこの日に、議員への責任追及と、働く人々の権利を実質化させるための意志を共有し、国際的な労働者の連帯に日本の女性も参画すべきだと訴える。

宮本百合子

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🎧 メーデーと婦人の生活 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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こんにちは、五月一日、メーデーです。世界のあらゆる国々の働く男女が、現在の要求と未来の希望とをかかげて、堂々と行進する日です。国によっていくらか時間のちがいはありますけれども、アメリカでもイギリスでもフランスでも、ソヴェト・ロシアでも、そして中国・朝鮮でも、五月一日というこの日には、工場から、経営から、農村から、すべての勤労者が溢れ出て、働くものの日として、行進いたします。もしテレビジョンが発達して、きょう、私たちの住んでいるところからも、労働者に溢れている世界の町々の光景をそっくりそのまま観ることが出来たら、それはどんなに壮観でしょう。旗はひるがえり、歌声は湧き、まるい地球は本当にきょうのメーデーにこそ、世界は働く人の花の輪でつながれるのです。

皆さんのお宅には、必ず幾人か、つとめに出ている方があるでしょう。その方々は、けさふだんといくらかちがった仕度で家を出かけていらしただろうと思います。わたし水筒もって行くわ、と云って出かけた若い婦人の方もあったでしょうし、あああなた、こっちの靴下の方がうまくついであるわ、足にまめが出来ないように、ね、と、さっぱり洗いたての靴下をはかせてあげた奥さんもありましたろう。

つとめのある方は、そうして行進に出かけ、さて、うちにのこった婦人たちは、この一年に一度のメーデーを、どうおすごしになるでしょうか。メーデーだと云っても、決して遅配のお米が配られては来ません。この二三ヵ月、また一段と高くなった物価も、せめてメーデーだけは、と割びきもありません。メーデーであるきょうも、行進とともにすすむ歌声をよそに家庭の婦人は、小さい子供たちの手をひき背中に赤ちゃんをおんぶして、汗ばむようになったのにさっぱりした袷もないと思いながら、闇市で晩のお惣菜をあさらなければなりません。メーデーは、外で働いている人たちだけのもの、家庭の心配から解放されることのない日本の家庭婦人にとって、メーデーは、ひとのことのように見えるかもしれません。

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