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TORENDIA

ふたつの教訓

本文約1,100字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

三鷹事件と松川事件を題材に、労働者階級の闘いの教訓を論じる。著者は労働者の生存をかけた要求が労働組合の指導不足で敵の謀略に利用された状況を分析し、なぜ当事者が身に覚えのない罪を自白したのかを強く問いかける。権力による弾圧や偽証が横行する情勢下で、労働者が自己の人権を守り抜くためには、いかなる虚偽に対しても真実を主張し続ける強固な態度こそが必要であると説き、不当な告発に屈しない原則的な姿勢の重要性を訴える。

宮本百合子

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三鷹、松川事件、どちらも労働者階級の闘いの歴史にとってきわめて重大な教訓をしめしていると思います。事件の具体的な内容についてはどちらもすべて明らかになってきています。

私たちが真剣に学びとらなければならないことは、これらの事件がどちらも労働者としての生死にかかわる生存のためのたたかいの慾求に出発していることと、それにたいして労働組合の闘争の方向、テンポが、かならずしもそのひとたちを十分指導しきらない点をもっていて、このさけ目が敵の謀略に乗ぜられたという点、三鷹事件も、松川事件もこの点では共通の動機をもっていたようだし、この点が同時に敵に着目され、全く組織的にちょう発を準備されたと思います。

大衆の要求を正しくみちびくことになにかの不足が生じている場合、または大衆の革命的行動の理論が客観的正当さを欠いている場合、つねに敵のちょう発がその弱点にくいこむということをハッキリ教えています。

私は素直にいって一つどうしても不思議なことがあります。それは三鷹事件でも松川事件でも、敵が目をつけるぐらいの職場の積極分子である労働者たるものが、どうしてやりもしないことを「自白」したかということです。

世間普通の人間でも、すこししっかりしたものならぬすまないものはぬすまないと頑張ります。知らないことは知らないといいます。両事件の「自白」したひとたちは、公判にでもでればすべて明らかになると信じて「一応自白」したのかも知れませんが、一般の人々はもっとしっかりしていたたよりになる指導者だとおもっていた労働者が、やりもしないことを「自白」したという態度そのものに疑問を感じたのは当然です。だれがみても階級的によわい態度です。

弾圧というものはどうせデッチあげと、ちょう発、偽証をともないます。密告をともないます。ウソからまことをつくろうとされます。その第一歩から正直な労働者、正直な階級人、正直な市民の権利にたってたたかうべきです。

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