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TORENDIA

田舎風なヒューモレスク

本文約7,700字 ・ 読了時間 約16分

あらすじ(AIが作成しました)

田舎で身代を築いた勇吉と妻のおしまは、老後の生活を共にしようと若夫婦を養子に迎える。しかし、婿が兵役で不在になると、勇吉が残された嫁のきいに親切にし始めたことから夫婦の不和が生じる。ある冬の夜、酒に酔った二人は家を焼こうと激しく争う騒動を起こす。後日、勇吉と対立する人物を恐れ騒ぎ立てる周囲をよそに、当人同士が何事もなかったかのように仲睦まじく過ごす様を、滑稽な田舎の人間模様として描く。

宮本百合子

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都会の者だって夫婦げんかはする。けれども、田舎の夫婦げんかには、独得の牧歌的滑けいがつきものです。いつか村で有名な夫婦げんかが一つあった。

勇吉という男がある。もう五十八九の年配だ。体の大きいひょうかんな働きてで、どんどん身代をこしらえた。若い時、村の池で溺れかかった中学生を救った時右の人さし指をくい切られて、その指は真中の節からない。よく酒を飲む。女房は、おしまという。亭主に負けない黒い顔で、眼の丸い働きものです。村で一番という位蚕のおき方がうまい。沢山酒ものむし、盆躍りは少し夢中になり過ぎるが、勇吉の身上の半分はもち論このおしまのかせぎで出来たのであった。

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