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TORENDIA

京都人の生活

本文約920字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

京都の日常生活における人々の気質や生活様式を論じる。著者は関東出身者の目線から、伝統と形式を重んじる京都人の外面的な端麗さと、その背後にある内面的な窮屈さを観察する。家庭内での役割を強固に守る女性像と、家政から離れて遊びを求める男性像の対比を通じて、古都特有の環境が育む人間心理のリアリズムを読み解き、都市生活のあり方を考察する。

宮本百合子

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🎧 京都人の生活 / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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都会が、いろいろな特色をもっている。面白いことと思う。京都などこれまでちっとも知らず、近頃たまに来て、まだ馴れないよその人の目で見ると、感じ方が、その土地で暮している者とは違う。京都人の日常生活の細やかさ、手奇麗さなど、風景でも大ざっぱで野趣のある関東から来た人は、誰でも賞め、価値を認める。全く或る点よい。だが、其なら京都の人は本当に情趣豊かな風流人かというと、さて、と思う。面白いことに、生粋の京都生れ、京都暮しの女性を見ていると、彼女は本当によい色彩で着物を選び、家の隅々まできちんと行き届いた生活ぶりでやっているが、しんに迫って見ると、ただ伝統の力で自然にそうやっているというだけのところがあるらしい。電車にのって見て受ける第一の印象が東京などと違う。女の人は皆よそゆきで、とりすましている。東京のように、活動を運搬している激しさがない。外へ出るに、今頃は此服装でなければ見っともない。そういうことを、女のひとは念頭に置かないで暮せないらしい。外見は、物静で、ちんまりしているけれど、内部で、そういう些事に労する神経は並大抵でないらしい。なかなか窮屈なことと思う。

女の人が、総体経済家で、きれいずきで、家政的に育て上げられているのは、一寸傍から見れば、共に生活する男の人の幸福のようだが、右を向いても左を向いても、母、妻、姉妹皆同一の型でちんまり纏っているとうんざりと見え、京都の男は遊ぶ。

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