幸福のために
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あらすじ(AIが作成しました)
四月十日の選挙を目前に控え、日本共産党を支持する意義を論じる。戦時中唯一戦争反対を貫き、食糧問題等の現実的な解決策を提示し続ける同党の誠実さと、先行して共産党を支持したフランスの事例を挙げる。既成政党の無策を指摘した上で、国民の幸福と平和な民主主義社会の建設を目指し、日本共産党へ投票するよう呼びかける。
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いよいよ、四月十日も迫って参りました。私たち二千九十一万余人の婦人有権者は、生れてはじめて、自分たちの政治のために、一票を投じる日を迎えることとなりました。
婦人ばかりでなく、男の方たちにしろ、今度の選挙に対しては、これまでと全く違うこころもちでいらっしゃるでしょうと思います。御自分の一票が、日本のこの有様をどう変えて行くだろうか、ということについて、考えていない方はなかろうと思います。今度の選挙は、その点からも日本の私たちすべてにとって、新しい特別な意味をもっております。
この間うちから、ラジオはくりかえし、くりかえし、各政党立候補者の政見発表演説を送っております。うちにいて、働きながら、各政党の演説が開けるのは、まことに便利です。黙ってきいていると、政策が語られずに、詩吟をする候補者まで出て来ます。これは世界にも余り類のないことでしょう。
私たちの毎日は、悠暢なものではありません。モラトリアムで、国民の経済が救われそうに話されましたが、一ヵ月たった今日では、万事がまるで逆になって来ています。米、味噌、醤油のような生活必需物資の値段は、私たちが使えるお金に制限をうけてから、グッと三倍に上りました。勤めにゆくため、学校へゆくため、是非乗らなければならない省線、都電、バスなど、交通費もみんな三倍になりました。今の配給だけで、やって行ける家庭が一軒でもあるでしょうか。
今日、この有様の中でも、銀行家や金持ちは、コモかぶりを置いて暮しているという話をきくとき、私たち女の正直な心は、おどろいて目を見張ります。
そんなことがあって、いいものでしょうか。みんなが飢えて死にそうだというとき、それでいいものでしょうか。私たち女は、思わず自分の胸にしっかり我が子を抱きしめて、この恐ろしさから、命を守ろうとします。
こんどの戦争で、良人や父、兄弟を失った不幸な婦人たちは、何十万あるでしょう。まだ復員して来ない留守を、女の手で支えている健気な婦人たちが、何万人あることでしょう。その方々は、どういう思いで、今日を送り迎え、自分の投票を考えていらっしゃるでしょう。