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TORENDIA

われらの小さな“婦人民主”

本文約920字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

週刊紙として発刊された『婦人民主』について論じる。本作は、日本の民主化に向けた婦人大衆の重大な役割を説き、封建的なしきたりや差別を打破する使命を綴る。同時に、社会の各分野で男女が真摯に協働することの重要性を示し、人権の確立や言論の自由を重んじる民主的な社会のあり方を明示する。清純かつ良心的な立場から、婦人大衆と協力してこの週刊紙を育て上げようとする著者の願いを収める。

宮本百合子

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『婦人民主』が週刊紙として発刊されることになった。日本の明るい民主化のために、人口の半分どころか三百余万も多い婦人大衆が、どんなに重大な役割をもっているか。このことについては、婦人が急速に自覚しはじめているばかりでなく、心ある男子は皆ふかく理解している。

『婦人民主』の新らしい使命はふたとおりある。生々と、明日に伸びる婦人大衆の声をあまねくこだまして、まだ仄暗い封建のしきたりに閉されている隅々にまで、その活溌な響きを伝えること。同時に、日本の平和と幸福とのために、婦人の任務の価値を十分知っている有能な男子の社会活動の諸分野に、婦人の創意と批判とを参加させ反映させる公の機会の一つとすること。この二通りの作用をとおして、男子と婦人との真面目、積極な協働こそ、民主的な社会生活問題の解決の方法であることを学んでゆこうとするのである。

日本の過去に、民主的な社会生活の経験がなかった。明治になっても、半ば封建であった。今日改正が問題となっている民法上の婦人の差別を見てもよくわかる。これは、日本婦人がおくれていることを語るばかりではなく、婦人のそのような低い地位によって日本の社会全体の低さを示すことであった。つまり男も女も不幸で無権利であったことを証明する。

この頃急に民主日本への翹望が語られるが、その解釈は、まだしっかりしていない。民主の社会という場合には、少くとも人権が確立し婦人の社会的地位の差別がとりのぞかれ、人種偏見から解放され、言論、出版、政治活動の自由のある社会を意味している。専制と封建の権力、習慣がとりのぞかれた社会、或は、それらの過去の鎖をすてようとする新鮮な大衆の要求に立つ社会をさして云うのである。民主的とは民主性そのものを毒す保守の特権や政治ブローカーと、目前の便宜から妥協したりすることではない。民主の方向は、歴史の発展から導き出されたそれ自身の誇りある性格に立っているのである。

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