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TORENDIA

九州の東海岸

本文約3,100字 ・ 読了時間 約7分

あらすじ(AIが作成しました)

別府、臼杵、青島、長崎など九州各地を巡った旅の記録を綴る。著者自身の先入観とは異なる、九州の樹木が持つすらりと高く繊細な姿や、日向の土地が漂わせる明るく開放的な風景への驚きを描く。特に、臼杵の別荘で感じた閑寂な庭の風致や、武者小路実篤が「新しき村」を拓く地として選んだ日向の天地の本質について、各地の気候や自然と結びつけながら、その土地固有の情緒を生き生きとした視点で紹介する紀行文である。

宮本百合子

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🎧 九州の東海岸 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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細い流れがうねって引込んである。奥の植込みに、石南花が今を盛りに咲いていた。海、砂、五月の空、互になかなか美しい、もう一本目を牽く樹があった。すんなり枝を延ばし梢高く、樹肌がすべすべで薄紅のに、こちゃこちゃ、こちゃこちゃとかたまって濃緑、臙脂、ぱっとした茶色などの混った若芽が芽ばえ出している。ちょうど若葉の見頃な楓もあったが、樹ぶりが皆、すんなり、どちらかというと細めで素直だ。石南花など、七八年前札幌植物園の巖の間で見た時は、ずんぐりで横にがっしりした、まあ謂わば私みたいな形だったのに、ここで見ると同じ種類でもすらりとし、背にのびている。

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