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TORENDIA

三つの民主主義

本文約2,300字 ・ 読了時間 約5分

あらすじ(AIが作成しました)

婦人民主クラブの会員に向けて、日本の民主化における歴史的背景と目指すべき方向性を論じる。世界にはブルジョア民主主義、新民主主義、社会主義的民主主義の三つが存在するが、日本は現在、封建的な旧勢力からの解放を経て新民主主義を完成させる段階にあると説く。勤労階級を主軸とした民主化の必然性を強調し、クラブが今後直面する諸問題に対し、歴史の特質を正確に理解した上で判断を下すべきだと提唱する。

宮本百合子

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🎧 三つの民主主義 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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これまでの日本の婦人は、よろこびも悲しみも自分のめぐり合わせとして孤立して生きて来た。そういう生活を、もっとひろい社会の動きの中に解放して婦人の生活を明るくつよく創造の力にみちたものにしてゆくと共に日本の民主社会の健全な生長のために協力したいというのが、婦人民主クラブの初めからの希望である。

僅か七八人の小さい集りとして発足してから半年ほど経った今日は、全国に数百人のクラブ員ができ、婦人民主新聞が発刊される手筈になったし、秋からクラブと特別な関係をもつ雑誌も発行されるようになった。そして、私たちがまだ未熟で、クラブとしての運営の形も十分ととのいきれないうちに、日本の社会の事情は目まぐるしく前進した。そして、本当に婦人たちの自発的な気もちから生れた婦人団体というものが日本に殆どないために、新しい日本建設の一つの要素として多方面の接触をもつようになって来た。

この事情は、クラブの社会的な存在意義というものを、いつとはなしくっきりと彫り出して来た。これからは、益々いろいろな文化団体との連繋もふえ、活動の面もふえ、若い新鮮なクラブ員の能力が十分発揮されるようになって来るだろう。これはうれしいことだと思う。それにつけて私たちクラブ員は、一つのことをはっきり理解しておいていろいろの場合クラブとしての処置や判断を誤らないようにしたい。私たちは何はともあれ婦人民主クラブ員なのだから、日本の今日の民主主義の歴史的な性質、方向などについて、簡単ながら間違いない理解をもっていた方が便利だろう。

今日、世界には三つの民主主義がある。ブルジョア民主主義、新民主主義、社会主義的民主主義。アメリカ、イギリス、フランスの諸国は、歴史の歩みのうちにすっかり封建的なものをすて去ったブルジョア民主国家であり、日本、中国等は現在新民主主義の段階にあるし、ソヴェト同盟は、社会主義的民主主義の社会をもっている。

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