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TORENDIA

あし

本文約850字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

窓辺で昼寝をしていた二頭の馬のうち、一頭が目を覚ます。自分の後ろ足が痺れて動かないことに気づいた馬は、誰かに足を盗まれたと勘違いする。盗まれた足を探して椅子やテーブルの足を次々と蹴り飛ばし、さらには友達の馬の足までも蹴ってしまう。自身の行動を巡る騒動と、やがて直面する自分の足の状態についての誤解を描く物語である。

新美南吉

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🎧 あし / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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二ひきの馬が、まどのところでぐうるぐうるとひるねをしていました。

すると、すずしい風がでてきたので、一ぴきがくしゃめをしてめをさましました。

ところが、あとあしがいっぽんしびれていたので、よろよろとよろけてしまいました。

「おやおや。」

そのあしに力をいれようとしても、さっぱりはいりません。

そこでともだちの馬をゆりおこしました。

「たいへんだ、あとあしをいっぽん、だれかにぬすまれてしまった。」

「だって、ちゃんとついてるじゃないか。」

「いやこれはちがう。だれかのあしだ。」

「どうして。」

「ぼくの思うままに歩かないもの。ちょっとこのあしをけとばしてくれ。」

そこで、ともだちの馬は、ひづめでそのあしをぽォんとけとばしました。

「やっぱりこれはぼくのじゃない、いたくないもの。ぼくのあしならいたいはずだ。よし、はやく、ぬすまれたあしをみつけてこよう。」

そこで、その馬はよろよろと歩いてゆきました。

「やァ、椅子がある。椅子がぼくのあしをぬすんだのかもしれない。よし、けとばしてやろう、ぼくのあしならいたいはずだ。」

馬はかたあしで、椅子のあしをけとばしました。

椅子は、いたいとも、なんともいわないで、こわれてしまいました。

馬は、テーブルのあしや、ベッドのあしを、ぽんぽんけってまわりました。けれど、どれもいたいといわなくて、こわれてしまいました。

いくらさがしてもぬすまれたあしはありません。

「ひょっとしたら、あいつがとったのかもしれない。」

と馬は思いました。

そこで、馬はともだちの馬のところへかえってきました。そして、すきをみて、ともだちのあとあしをぽォんとけとばしました。

するとともだちは、

「いたいッ。」

とさけんでとびあがりました。

「そォらみろ、それがぼくのあしだ。きみだろう、ぬすんだのは。」

「このとんまめが。」

ともだちの馬は力いっぱいけかえしました。

しびれがもうなおっていたので、その馬も、

「いたいッ。」

と、とびあがりました。

そして、やっとのことで、じぶんのあしはぬすまれたのではなく、しびれていたのだとわかりました。

完

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