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TORENDIA

東洋史上より観たる明治時代の発展

本文約9,600字 ・ 読了時間 約20分

あらすじ(AIが作成しました)

明治天皇の御一周年に際し、明治時代の発展を東洋史の視点から論じる。日清・日露戦争を経て、朝鮮併合、東アジアにおける覇権の確立、世界的一等国への昇格、さらには文化の輸出という多面的な飛躍を遂げた過程を検証する。その上で、西洋文化を積極的に摂取しつつ日本固有の国体や国粹を保存する「和魂洋才」の精神を強調し、今後も不断の努力と準備をもって国家の発展を目指すべきであると説く。

桑原隲藏

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一

歳月流るるが如く、明治天皇の後登遐後、早一年を經た。去る者は日に疎しといふが、千古の大英主たる明治天皇の御鴻徳のみは、深く我が國民の腦裡に印して、決して忘るることが出來ぬのみか、却つて時を經る儘に、愈景仰の念を増すばかりである。私は茲に明治天皇の御一週年祭に際し、東洋史上より觀たる明治時代の發展を述べて、聊かその御鴻徳の一端を偲びたいと思ふ。

一體わが日本國は神武天皇御即位以來、二千五百餘年の長い歴史をもつて居るが、その割合に歴史の内容は豐富とはいへぬ。神功皇后の三韓御征服とか、豐太閤の朝鮮征伐とかいふ、大陸發展の場合が甚だ尠い。さらばとて平和の方面を觀ると、一層寂寞たるものがある。制度・文物・學術・宗教等あらゆる文化は、支那より傳はり、若くは支那を經て、我が國に傳はつたもので、その反對に日本固有の文化、若くは他國の文化でも日本を經て、支那・朝鮮の大陸に傳はつたといふ場合は、殆ど見當らぬ。要するに明治以前に於ける、我が二千五百餘年の長き歴史を振り返つて見ても、戰爭の場合といはず、平和の場合といはず、我が日本が原動力となつて、支那や朝鮮の局面に大變化を來したといふ場合は、極めて稀有である。所が明治の御世となると、頗るその趣を異にして居る。明治の御世殊に日清戰役後の十七八年の間に、わが國は非常なる發展を遂げた。この間に東亞の方面に起つた大事件は、一として直接若くは間接に、我が日本國の發展の影響を被らぬものはない。是點より考察すると、明治以前の二千五百餘年の歴史より、明治の御世、殊に最近十七八年間の歴史の方が、遙に内容豐富ともいへる。

明治年間に於ける我が國の發展は、多方面に渉つて居るが、東洋史の立場から觀ると、大要左の五項に概括し得ることと思ふ。

二 朝鮮の併合

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