TORENDIA
日記
宮本百合子
TORENDIA
日記
本文約13,800字 ・ 読了時間 約28分
あらすじ(AIが作成しました)
七月の数日間を中心に、執筆者が日々の生活で感じた心の揺れや出来事を綴る。朝の光の中で感じた生命力への歓喜や、執筆中の気分の高揚、あるいは意に反した出来事に苛立ちを感じる様子を描く。学習や読書、創作活動に打ち込む一方、旅への憧れを募らせる心境や、家族との穏やかな対話を通じた日常の情景を記す。執筆者は、移り変わる感情や季節の移ろいを見つめ、自身の内面的な機微を克明に記録する。
🎧 まだ音声版はありません
リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。
💰 この本を応援する(投げ銭)
1 / 17
七月二十一日 晴 木の葉のしげみや花ずいの奥にまだ夜の香りがうせない頃に目が覚めた。外に出る。麻裏のシットリとした落つきも、むれた足にはなつかしい。
この頃めっきり広がった苔にはビロードのやわらかみと快い弾力が有ってみどりの細い間を今朝働き出してまだ間のない茶色の小虫が這いまわって居るのも、白いなよなよとした花の一つ二つ咲いて居るのまで、はっきりした頭と、うるみのない輝いた眼とで私は知ることが出来た。人間を最も、力の満ちた、快活な時にする朝を私は有難い物に思われた。いつもより沢山……紅葉、紫陽花、孔雀草、八つ手、それぞれ特有な美くしさと貴さで空と土との間を色どって居る。どんなささやかなもの、そんなまずしげなものにでも朝のかがやきはいおって居る。
「力強い、勇気の有る、若々しい朝は、立派な洗面器で顔を洗って、おしまいして坐布団の上にチョロンと坐るよりは小川の流れでかおを洗いグルグルまきにして紺の着物に赤いたすきで田草をとり草を刈り黒い土を耕す方がつり合って居て立派にちがいない」
宮本百合子の他の作品
TORENDIA
五月の空
宮本百合子
五月の空
宮本百合子 ・ 約17分
TORENDIA
初夏(一九二二
年)
宮本百合子
初夏(一九二二年)
宮本百合子 ・ 約12分
TORENDIA
声
宮本百合子
声
宮本百合子 ・ 約2分
TORENDIA
海辺小曲(一九
二三年二月――
)
宮本百合子
海辺小曲(一九二三年二月――)
宮本百合子 ・ 約5分
TORENDIA
一九二三年夏
宮本百合子
一九二三年夏
宮本百合子 ・ 約22分
TORENDIA
犬のはじまり
宮本百合子
犬のはじまり
宮本百合子 ・ 約10分
TORENDIA
無題(四)
宮本百合子
無題(四)
宮本百合子 ・ 約4分
TORENDIA
余録(一九二四
年より)
宮本百合子
余録(一九二四年より)
宮本百合子 ・ 約5分
TORENDIA
「伸子」創作メ
モ(二)
宮本百合子
「伸子」創作メモ(二)
宮本百合子 ・ 約8分
TORENDIA
無題(五)
宮本百合子
無題(五)
宮本百合子 ・ 約3分
TORENDIA
無題(六)
宮本百合子
無題(六)
宮本百合子 ・ 約2分
TORENDIA
長崎の一瞥
宮本百合子
長崎の一瞥
宮本百合子 ・ 約18分
同じジャンルの朗読つきの本
TORENDIA
みちのく
岡本かの子
みちのく
岡本かの子 ・ 約14分
TORENDIA
賭博の負債
田中貢太郎
賭博の負債
田中貢太郎 ・ 約6分
TORENDIA
春の心臓
ウィリアム・バトラー・イエーツ William Butler Yeats
春の心臓
ウィリアム・バトラー・イエーツ William Butler Yeats ・ 約13分
TORENDIA
芸術上の心得
倉田百三
芸術上の心得
倉田百三 ・ 約4分
TORENDIA
樂しい手術
中谷宇吉郎
樂しい手術
中谷宇吉郎 ・ 約3分
TORENDIA
寝る前の三つの
点検 ― 冬の
暖房と火の用心
、逃げ遅れを防
霧島 蒼
寝る前の三つの点検 ― 冬の暖房と火の用心、逃げ遅れを防ぐ家の備え
霧島 蒼 ・ 約26分
TORENDIA
芸術は短く貧乏
は長し
平野零児
芸術は短く貧乏は長し
平野零児 ・ 約9分
TORENDIA
我輩の智識吸収
法
大隈重信
我輩の智識吸収法
大隈重信 ・ 約7分