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TORENDIA

技術と科学との概念

本文約3,800字 ・ 読了時間 約8分

あらすじ(AIが作成しました)

技術を物質的生産技術に限定した上で、それを既存の哲学が提唱する第三領域や機械論的な定義から脱却し、社会における生産力の水準という量的な力として捉える。さらに科学についても、認識を目的とするのではなく、実験を通じた物の生産の結果として位置づける。技術を生産の力の尺度、科学を物の生産と再定義することで、両者の関係性を再検討し、社会的な技術水準や文化的形象としての性質を論じる。

戸坂潤

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🎧 技術と科学との概念 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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要点だけをごく手短かに叙べねばならぬ。

まず技術から始めよう。技術について最も間違いを少なくするには初めに之を物質的生産技術に限定して考えることが必要である。当分この限定を胸に置いた上で、技術の既成の概念に当って見ると、最も広く行なわれているのは何と云っても、「技術の哲学」という二十世紀特有な哲学による規定であろう。その重なものに共通する因子は、技術の世界をば自然界と精神界(観念界・道徳・人生・其の他の世界を含めて)との何等かの中間領域、第三王国、とすることである。

ここですぐ様問題になるのは一体技術は一つの世界や一つの領域というものであろうかということだ。技術のこの存在性のカテゴリーについては、多くの技術哲学は殆んど無批判なのである。今仮に火というものを考えて見るのもいい。それが(古代ギリシアの自然論者風に云って)水でもなく土でもない、つまり海でもなく陸でもないから、之を第三の領域だとしたならば、少し話は妙にならないだろうか。少なくともそういう領域は地球上にはない抽象界であろう。又火の代りに熱でも持って来れば尚更である。処が技術が万一この火や熱のような本性のものであるとしたら困ったことになるだろう。

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