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TORENDIA

小熊秀雄全集-22

本文約20,900字 ・ 読了時間 約42分

あらすじ(AIが作成しました)

天文台で働く星野博士のもとへ、息子のテン太郎と猫のニヤン子、ピチクンがお弁当を届ける。博士は月野博士と火星の住人について論争し、ヒゲを引っ張り合う喧嘩を繰り広げる。その後、一行はロケット格納庫や信号器を見学し、火星を夢見る中でトマト騒動などの奇妙な体験をする。帰る間際、博士に悪戯を仕返した子どもたちは、科学者との対決を通じて星の世界への好奇心を深めながら、賑やかに帰路につく様子を描く。

小熊秀雄

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[目次]

星野博士

火星への通信

火星の運河

火星に人間が住んでゐるか

空中飛行

火星の首都ミルチス・マヂョル市

大歓迎会

腹痛

トマト騒動

火星の看護婦さん

地球に向つて

テン太郎の報告

人間のヒゲと猫のヒゲ

コオロギと蛙

[#改ページ]

星野博士

○

テン太郎や お昼のおべんとうを 天文台のお父さんに とどけておくれ

ハイ 行つてきます

○

ニヤン子とピチクン 僕についてきたまへ

天文台をみせてくれる?

テン太郎さん ぼくもついてゆきますよ

○

さあ みんなでそろつて でかけやう

足なみ そろへて

一二 一二

○

ピチクン あんまり鼻をくつつけては いけないよ

だつて いい匂ひがするんだもの

あら ほんとだ 匂ひだけかぐのは つらいわね

○

あれが天文台だ あそこでお父さんは 星の世界の研究をなさつてゐるのだ

月や星を見る望遠鏡は あのまあるい屋根の やうな所にあるのよ

ニヤン君 よくしつてゐるね

○

小使さんがゐるかしら

きれいな建物ね

屋根の上で なんだかくるくる まはつてゐるね

○

小使さん お父さんの所へ おべんとうをもつてきました

わたしも おともしたんだわ

これは これは 星野博士のぼつちやんですか 博士は研究室の方です

○

ぢや ぼくたち 中に入つてもいゝですね

あゝ ええですとも その長いらうかを通つて 突きあたりの丸い建物です

○

あそこだな

あらまあ

ずゐぶん長いらうかだなあ

○

ここがね お父さんがゐらつしやる 火星研究室だよ

火星といふのは 人間がすんでゐるといふ 星のことだわね

さうだよ

○

あら 向ふにつづいてる丸い円筒のやうな建物はなにかしら

あの建物は、火星へ飛んでゆく、ロケットの格納庫なんだ

ちよつとのぞいてみたいわね

○

テン太郎さん ちよつと、まつて なんだか中の様子がへんですよ

ほんとにへんだわ

さうかしら ぢや、ニヤンちやん調べてくれ給へ

○

あらまあ おどろいた 大変だわ

○

(ドタバタ ドタバタ)

なかで 何か起つたの

早く 降りてくれ、何があつたか、しらしてくれ

○

どうしたんだ ニャンちやん

研究室の中では、ヒゲの引つ張り合ひよ

それぢや、喧嘩を、してゐるの

○

さうなのよ テン太郎さんのお父さんと月野博士とが

それは大変だ のぞいてみやう

それがいい

○

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