本文へ移動
TORENDIA

世評と自分

本文約350字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

小説はそれ自体がすべてを語るものであり、時代や流行に裁かれることを意とせず、ただ人間そのものによって裁かれることを畏れると説く坂口安吾の文学観。

坂口安吾

速度
🎧 世評と自分 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 1

私は抗議も弁明も好まない。なぜなら、小説は、小説自体が全てを語っており、それによって裁かるべきものだから。

たゞ、文学の仕事は歴史を相手に行われているものであるから、現象的な批評や非難は作家の意とするに当らぬものであることを付け加えたい。

私は言うまでもなく社会的責任を負う。もしも私の著作が、世相に悪影響を及ぼすものと断ぜられて、浮薄なる情痴作家と裁かれるなら、それはそれでよろしい。

時代や流行や社会によって裁かれることは私の意とするところではない。私は「人間」によって裁かれることを畏れるのみ。即ち、私自身によって裁かれることを。

私が如何なる作家であるか、私はすべてを歴史にまかせる。私は私の小説を偽ることはできないのだから。

だが、情痴読者が多すぎる。文学を正しく受け入れるには、教養がいる。人間!

完

坂口安吾の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本