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TORENDIA

信仰個条なかるべからず

本文約2,500字 ・ 読了時間 約6分

あらすじ(AIが作成しました)

信仰とは、主義主張を明確にし、精神界で統制ある運動を行うための旗印であると論じる。現代の基督教界が空論の巣窟となることを強く戒め、神学や哲学の議論に終始するのではなく、一個人から実地の生活に応用すべきだと説く。歴史上の人物を例に挙げ、自らの信条に従って死生を超越し、たとえ周囲から迫害や罵詈を受けようとも、断固として己の立場を貫き通す強固な精神的基盤の重要性を情熱的に主張する評論である。

山路愛山

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🎧 信仰個条なかるべからず / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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旗色分明ならずんば三軍何を以て向ふ所を知らんや。信条は異論に対し、他派に対し、同一普通の信仰を有する一隊が敵と味方と朋友とを区別せんが為めの旌旗なり。是れ微つせば以て精神界に出でゝ統制一致の運動を為す能はず。

故に信条は歴史の産物なり。信条の生ずるは勢の必至なるものなり。

人或は曰ふ信条の如き狭隘、独断の物を掲げて以て世に示すことは思想の自由を尊ぶ者をして其中に入るを嫌はしむるの媒たりと。異なる哉言や。吾人は思想の自由を尊ぶが故に信条を掲げて以て去就を明かにせんとする也。天下の心は猶天下の面の如し。人々異なれり、誰れか狭隘の譏を免れん、誰れか独断の譏を免れん。総ての人を感服せしむることは基督と雖も能はざりしなり。故に信条を掲げて以て来る者を歓迎し、往く者は尤めざる也。横井時雄氏曾て信仰を告白し、内村鑑三氏亦信仰を告白す。是れ二君の信仰なり。二君安心立命の地なり。二君の敵と味方と朋友(精神界の)とは此告白に因りて決すべきなり。吾人は二君の為めに此挙あるを喜ぶ。此に依りて略二君立脚の地を知り略二君の旗色を解したればなり。

新信条を以て旧信条に代ふべしと曰ふは可なり。之を増減刪加すべしと曰ふは可なり。之を置くの可否を論ずるに至りては事理を解せざるの太甚しき者也。

吾人は我教会に斯の如き空論家多きものありと曰はず。教師に空論の説教を為す者ありと曰はず。然れども今日の時に方りて何人も自ら此点に就て省みるの必要は必ず有りと信ずる者也。何となれば日本の地、日本の現時は実に基督教の救済を要するものあり、而して是唯基督教の精神を我社会に実現するによりてのみ行はるべきものにして、今の時は徒らに神学、哲学、理想を語りて止むべきの時に非ずと信ずればなり。

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