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TORENDIA

人柱の話

本文約13,800字 ・ 読了時間 約28分

あらすじ(AIが作成しました)

建築や土木工事を固めるために人柱を立てる風習について、国内外の伝承や事例を収集し、その信念の変遷を論じる。インドやビルマなど諸外国の伝説や、日本国内の文献に見える人柱の記述、さらに罪人の生埋めや塚穴との関連性などを多角的に検証し、古くから存在する人牲の風習がいかなる目的や信仰に基づいて行われてきたのかを考察する。また、人柱の精神的な側面や、それが後世の怪異譚や信仰とどのように結びついて語り継がれてきたかを詳述する。

南方熊楠

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(南方閑話にも收めたれど、一層増補したる者を爰に入る)

建築土工等を固めるため人柱を立てる事は今も或る蕃族に行なはれ其傳説や古蹟は文明諸國に少なからぬ。例せば印度の土蕃が現時も之を行なふ由時々新聞にみえ、ボムパスのサンタルパーガナス口碑集に王が婿の強きを忌んで、畜類を供えても水が湧かぬ涸池の中に乘馬のまゝ婿を立せると流石は勇士で、水が湧いても退かず、馬の膝迄きた、吾が膝まできた、脊迄きたと唄ひ乍ら、彌々水に沒した。其跡を追つて妻も亦其池に沈んだ話がある。源平盛衰記にも又清盛が經の島を築く時白馬白鞍に童を一人のせて人柱に入れたとあれば乘馬の儘の人柱も有つたらしい。但し平家物語には、人柱を立てようと議したが罪業を畏れ一切經を石の面に書いて築いたから經の島と名附けたとある。

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