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TORENDIA

新しい芝居

本文約380字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

新劇でもない新しい演劇を掲げて五年歩んできた文学座の歩みを振り返り、それは転身ではなく献身なのだと語る岸田國士の一文。

岸田國士

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🎧 新しい芝居 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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文学座はいはゆる「新劇」に非る新しい劇の樹立を標榜して立つた。五年間の歩みは、その方向を誤らなかつたかどうか、私は、今それを判定する地位にゐないけれども、恐らく、これだけのことは云へさうだ。――若し現在の文学座に慊らないものがあるとすれば、それは、時代が少し急速に進展しすぎたためだといふことである。文学座は正しく歩かなければならぬ道を一歩一歩あるき、しかも、それは十年を要する道だったので[#「道だったので」はママ]ある。駈足ではどうにもならぬ道を、一途に歩きはじめたものゝ宿命を、いま身を以て感じ、しかも、それはそれとしての矜りを失はず、こゝでひとつ、策をめぐらし、時局下の演劇人としての精神的飛躍を遂げることが、座員一同の今日の希ひだと思ふ。

これは転身ではなくて、献身である。

新しい芝居の道が、かくて、文学座にのみ開かれてゐると信じるのは、私一人ではあるまい。

完

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