本文へ移動
TORENDIA

一ノ倉沢南稜

本文約430字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

一ノ倉沢南稜を仲間と登った一日の記録。強風に振られながらもチムニーや笹原を越え、山の家に一泊した昭和十六年六月の登攀を淡々と記す松濤明の山行記。

松濤明

速度
🎧 一ノ倉沢南稜 / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 1

パーティ 丹羽(正吉)、松濤 昭和十六年六月八日 土合(六・〇〇)―南稜テラス(八・一〇~八・三〇)―一ノ倉尾根のピーク(一四・〇〇~一四・二〇)―土合(一七・〇〇)

テラスに揃ってキジを撃ち、ここでアンザイレンしておもむろに取り付く。緊張しているにもかかわらず、闘志が一向ないので三ツ峠の悪場に取り付いているようだ。チムニー、その上の壁、大分手間どった。南稜が上部笹原に連なる付近は、直下に烏帽子沢を俯瞰してまことに気味が悪い。それにきょうは風が強く、いくども振られて胆を冷やした。笹原に入ってザイルを解き、握り飯を噛りながら笹に身を埋めてしばらくトカゲする。

これからの斜面は悪くないが、抜かると烏帽子沢をダイヴするので慎重に登った。平田君の落ちたピークの上で服装を整え、沖ノ耳へ向う。尾根は素敵に風が寒く、土合に着いた時には、ああ、とうとう風邪を引いてしまった。山の家泊り。翌日は雲量零の大快晴であったが、かえって怠れて、マチガ沢でトカゲして午後の汽車で帰京した。

完

松濤明の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本