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TORENDIA

雀

本文約410字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

新宿の屋台で雀を肴に飲む二人の男が、輪廻転生をめぐって戯れ合う一方、体調のすぐれないもう一人は窓辺の檜葉にとまる雀を見て憐れみを覚える原民喜の掌編。

原民喜

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🎧 雀 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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酔ぱらって雀を憶ひ出した二人は新宿まで出掛けた。屋台店の皿に赤裸のままの奴がころがってゐて、若い娘が庖丁で骨を叩いてゐた。一人は一羽の頭を噛ったばかりでもう食はなかった。一人は一串と、頭の欠けたもう一串を平げた。

頭を食ったばかりの男は、その後食ひ足らなかったことを残念がって改めて食ひに行った。「あの時は酔ぱらってゐて、赤身のままの奴を見たので、つい変な気持がしたのだ。」と、その男は云ってゐた。

食べものの話が出た時、一人が鼠はおいしいと頻りに云ふので、鼠が食へるかねと相手が問ひ返すと、いや雀の間違ひだと笑った。

ある女が信仰の話から輪廻思想まで説き出すと、二人の男は遽かにはしゃぎ出した。

「死んだら君は雀になり給へ。」

「いや、願はくば君と一串にされて焼かれたいものだね。」

あいつも死んだら他の奴と一串にさされるのか――身体の調子が少し悪くて、新宿では雀を憐まなかった方の男が、窓から外を見てゐると、檜葉の樹に雀がゐた。

完

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