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TORENDIA

露伴の出世咄

本文約1,800字 ・ 読了時間 約4分

あらすじ(AIが作成しました)

無名の青年・幸田露伴が、依田学海を訪ねて自身の小説への序文を求めた。当初は学海に門前払いをされるが、原稿を置いて立ち去る強気な姿勢に目を留めた学海は、一晩でその原稿を読破し、あまりの傑作ぶりに自身の非礼を詫びて出版へ奔走する。山田美妙をも驚嘆させたこの『露団々』により、露伴は世間にその才を認められることとなる。本作は、著者が露伴の文壇での台頭と、後の名作『風流仏』への衝撃を回想する。

内田魯庵

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ある時、その頃金港堂の『都の花』の主筆をしていた山田美妙に会うと、開口一番「エライ人が出ましたよ!」と破顔した。

ドウいう人かと訊くと、それより数日前、突然依田学海翁を尋ねて来た書生があって、小説を作ったから序文を書いてくれといった。学海翁は硬軟兼備のその頃での大宗師であったから、門に伺候して著書の序文を請うものが引きも切らず、一々応接する遑あらざる面倒臭さに、ワシが序文を書いたからッて君の作は光りゃアしない、君の作が傑作ならワシの序文なぞはなくとも光ると、味も素気もなく突跳ねた。

すると件の書生は、先生の序文で光彩を添えようというのじゃない、我輩の作は面白いから先生も小説が好きなら読んで見て、面白いと思ったら序文をお書きなさい、ツマラナイと思ったら竈の下へ燻べて下さいと、言終ると共に原稿一綴を投出してサッサと帰ってしまった。

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