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TORENDIA

俳句

本文約480字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

五月幟が立つ家並みの向こうに海が広がる情景や、冬の暮れの寂しさ、秋の風に吹かれるブラジルの珈琲農園など、日常生活の一場面や季節の移ろいを繊細な言葉で綴る。また、人生の半ばを過ぎた実感を吐露しつつ、故郷の河原を歩く孤独や、隠遁への憧憬を込めた情景描写など、作者の心象風景を投影した数々の俳句を収める。

萩原朔太郎

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🎧 俳句 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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○

五月幟立つ家家の向うは海

○

暮鳥忌 磯濱の煙わびしき年のくれ

笹鳴

笹鳴の日かげをくぐる庭の隅

笹鳴や日脚のおそき縁の先

○

天城ごえ伊豆に入る日や遲櫻

青梅に言葉すくなき別れ哉

○

青梅に言葉すくなき別れかな

○

冬日くれぬ思ひおこせや牡蠣の塚

○

我が心また新しく泣かんとす 冬日暮れぬ思ひ起せや岩に牡蠣

○

ブラジルに珈琲植ゑむ秋の風

枯菊や日日にさめゆくいきどほり

○

プラタヌの葉は散りはてぬ靴磨き

冬さるる畠に乾ける靴の泥

○

虹立つや人馬にぎはふ空の上

○

人間に火星近づく暑さかな

秋さびし皿みなわれて納屋の隅

枯菊や日日に醒めゆく憤り

虹たつや人馬にぎはふ空の上

[#改ページ]

『遺稿』より

我が齡すでに知命を過ぎぬ 枯菊や日日にさめゆく憤り

若き日の希望すべて皆空しくなりぬ 秋さびし皿みな割れて納屋の隅

嗚呼すでに衰へ、わが心また新しく泣かむとす 冬日くれぬ思ひ起せや岩に牡蠣

故郷に歸れる日、利根の河原をひとり歩きて 磊落と河原を行けば草雲雀

わが幻想の都市は空にあり 虹立つや人馬賑ふ空の上

隱遁の情止みがたく、芭蕉を思ふこと切なり 藪蔭や蔦もからまぬ唐辛子

晩秋の日、湘南の或る侘しき海水浴場にて コスモスや海少し見ゆる邸道

完

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