山東へやった手紙
本文約1,000字 ・ 読了時間 約3分
あらすじ(AIが作成しました)
甚太郎への手紙という形式をとり、戦地へ送られたオジサンへ向けた少年の心情を綴る。過酷な農村での労働と地主への搾取に苦しむ日常、そして支那兵を殺さねばならない矛盾に直面したオジサンの葛藤を描く。戦地から戻るのか、どうすればいいのかという切実な問いを投げかけ、鬼に支配された田を守りながら、暴力の連鎖や社会の歪みの中で沈黙して生きる人々の苦悩と、未来への答えを模索する姿を鮮明に映し出す。
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1
甚太郎オジサン
コノ袋ノ中ニワ
仁丹ト ウカイ散ト
手ヌグイガ入ットル
ソレカラ、ノンキーガ入ットル
昨日、裏ノ、オ染サント二人デ
町カラ買ッテ来タモノデス。
ウカイ散ワ、
腹ノ痛カ時ニ飲ムトデス。
ソシテ、甚太郎オジサン
剣ツキ鉄砲デ
突キ殺ロサレンヨーニシナサイ
2
四五日前ニ、コチラデワ
田植ヲ ミンナ スマセタ。
土手ノワキノニ段田ヲ
一バン終リニ 植エマシタ。
ナガセ ガ アンマリ長クテ
一度、土手ガ切レソーニナリ
二晩モ村ノ人達ワ、番ヲシマシタ。
僕モ番ニ行ッタケレドモ
今年カラ田植エノ手伝イヲシタノデ
腰ガ折レソーニ痛カッタ。
シカシ、土手ガ切レルト
又、田ガ メチャメチャ ニナル
スルト 米ガ オサメラレンケン
地主ノ鬼ガ イジメル。
米ヲ作ルノワ 僕達デ
ソレヲ取ルノワ 鬼ダ。
暗イ土手ノ上カラ
暗イ大川ノ水ヲ ジット見テ
ミンナデ ジット 立ッテイタ
ミンナ 何ントモ 口ヲキカン
僕ワ 涙ガ出ソーニナッタ。
水ガ ケダモノミタイニ
ウォーウォー ト言ッテ流レタ。
ソレデモ ソレデモ、
僕達ワ 田ヲ作ランナラン
ダカラ 皆ワ ダマッテ
黒イ姿デ 水ヲ睨ンデイタ。
帰ッテミタラ
足ニ ビルガ 三匹ツイテイタ。
甚太郎オジサン
殺サレンヨーニナサイヨ。
3
オ染サンガ新聞ヲ読ンデクレタラ
日本軍ガ合戦ニ勝ッタソーデスネ
オジサンモ戦ッタノデスカ
ソシテ敵ヲ殺シタノデスカ。
オジサンワ 言イマシタ
支那ワ ホントワ俺達ノ敵デワ無イヨ
シカシ 出征シナンナラン
行キタク無イノニ行カンナラン
殺シタク無イノニ殺サンナラン
ゾータンノゴト
ホントノ敵ハ支那ジャナカ
殺サンナランノワ 外国ニワ居ラン
ソイデモ出征セニャナラン
支那兵ヲ殺サンナラン
ゾータンノゴト。
オジサンワ、ソー言ッタ
シカシ、ヤッパリ殺シテイル
歯ヲ食イシバッテ殺シテイル。
甚太郎オジサン
殺サンゴトシナサイ
殺サンゴトシナサイ
シカシ、ソレデモ、オジサンワ
剣ツキ鉄砲デ突カンナラン。
ソシテ僕達ワ ガーガー言ウ暗イ水ヲ睨ンデ、
田ノ番ヲセンナラン
コレワ、ドースレバヨイカ
ドンナコトヲスレバヨイカ
学校ノ先生モ言ッテクレンケン
修身ノ本ニモ書イテアリマセンケン
甚太郎オジサン
ドースレバヨイカ
ソレヲ山東カラ書イテヨコシテクレ