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TORENDIA

夕ぐれの明るさに憶う

本文約590字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

夕ぐれの空の広大さに圧倒された著者は、そこから人間に本来備わる無限の可能性を想起する。北極海で救助活動を行うソヴェートの英雄的な姿を引き合いに出し、人々の成長力や創造力が健やかに躍動する社会のあり方を提示する。一方で、戦争や貧困に押しつぶされ、日常の息苦しさの中で広い空さえも見失ってしまう社会の現状と、虐げられた人々の困窮する生活の様子を対比させ、閉塞した時代のあり方を鋭く問い直す一編である。

今野大力

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🎧 夕ぐれの明るさに憶う / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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夕ぐれのあかるさ

パッと室一杯にあふれて

十六燭の電灯のあかるさなど

小さくすぼんでいるようなこころよい明るさ

忽ちに薄暗くなるこの時刻に

これは又何といい明るさだ

カーテンをすっかりとり払い

硝子窓を通してもかまわない

あの明るい空を眺めよう

あの空

あの色

何がこんなにうれしいのか

もう三年越しの病人が

こしらえたような感激を求めているのだろうか

そうではない、たしかに、

空が広いのだ、

広大無辺!

そんな言葉なんかで表現できない

無限の無限の無限の空

あれがこの世界の一つの姿なのだ

あくせくした

けちけちした

僅かばかりの

たったほんの賃銀さえ

一人の食べ物代にもならないような

待遇がはっきりしてくるのだ

つい先頃極北の海に

氷塊の圧迫のために

ソヴェートの探険船が沈んだ時

零下四十度の酷寒を犯してそれを救援した

ソヴェートの優秀な飛行隊の英雄的壮挙は

何と素晴らしいニュースであろう。

あの大自然との苦闘に満ちた人間の記録はとても

私達の国では思いも及ばない

サヴェート社会の人々は

人間に可能な成長力や創造力はあの空のように無限であることを

経験しつつ

勇み立ち躍動している

だが私達の眼の前には

自殺や心中や強盗や

国際的には威喝 掠奪 戦争などが盛んであり

ただもう

ぶっちぢめろ ぶっちぢめろ

とちぢめられた虐げられ悔られた

人民の群がちっちゃく住んでいるのだ。

だから思う存分

伸々とあのような広い空さえ見つける

ことが出来ずにいるのかも知れない

完

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