TORENDIA
高原
木暮理太郎
TORENDIA
高原
本文約4,900字 ・ 読了時間 約10分
あらすじ(AIが作成しました)
八ヶ岳火山群をはじめとする日本各地の高原をめぐり、著者が理想とする高原の景観や地勢、植物の配置について論じる。標高や広さ、牧場としての利用といった要素を考察し、平坦な裾野や高山の頂上に広がる草原の美しさを独自の視点から綴る。自然の原始的な姿を重んじ、特にアルプスの山々に抱く愛着や、季節ごとに移ろいゆく高原の色彩がもたらす感興を収める。
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一
八ヶ岳の裾野ほど高原に富んでいる所は、火山の多い我国にも稀であろうと思う。殊に蓼科山あたり迄を引括めた八ヶ岳火山群となれば、恐らく他に之と比肩す可きものはあるまい。井出ノ原や念場ヶ原或は野辺山原というように、特別の名称を持っている場所を除いても、広さに於て少し劣るだけで、至る所に美しい高原が展開している。富士山の西側に在る間遠ノ原又は朝霧ヶ原などは、野辺山原よりも広いと思われるが、高原の趣致は寧ろ乏しいというてよい。それよりも上吉田の南方附近から山中湖畔にかけての裾野の方が高原らしい気分に浸れる。浅間山の六里ヶ原は広いことは広いが、なぜか親しさ懐しさに欠けているように思われるのは、其生成が新しいのと、絶えず威嚇するように烟を噴き出している活火山の姿を、近く仰いでいる為の気のせいであるかも知れぬ。尤も二度上のあたりは、西にある三方ヶ峰や湯の丸山附近と共に、私の好きな場所の一である。
●野辺山原と八ヶ岳
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