グレゴール・メンデル
本文約5,600字 ・ 読了時間 約12分
あらすじ(AIが作成しました)
オーストリーの僧侶グレゴール・メンデルは、僧院の庭で豌豆を用いた交配実験を八年間行い、親から子へ性質が伝わる法則を見出した。分離の法則や再結合の法則を導き出し、遺伝因子の存在を仮定して論じた。当時はその業績を顧みられず不遇であったが、後に再発見され、現代の遺伝学の基礎を築いた偉大な研究として高く評価されている。本書は、生物学における遺伝の重要性と、時代に先駆けて謎を解明したメンデルの生涯を綴る。
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遺伝学のおこり
ダーウィンの生物進化の説と相並んで、生物学の上で非常に大切な意味をもっているのは、メンデルの遺伝の法則で、今ではこの遺伝に関する学問が大いに進んで、生物をほんとうに研究するには、もちろんそれのいろいろな事がらを知らなくてはなりませんが、そのなかでも殊に遺伝学の重要であることが認められています。
遺伝というのはごく簡単にいえば、親の性質が子に伝わるということで、これは普通に誰でも知っている事がらです。親と子とは、その顔かたちにしても、どこか似通ったところがあり、気質の上でも大体はそうであるのです。なかには例外もないわけではありませんが、その例外と見られるものも、すぐの親ではなく、それより前の先祖の性質を受け継いでいることも多いのです。それで遺伝ということは、ともかくも確かな事実ですが、しかしどうしてそういう事実が現れるかということについては、科学の上でいろいろ研究を要することにちがいないのです。まず遺伝の場合には、どのような性質が最も多く子孫に伝わるのかということや、そしてそれの伝わり方について、実際にしらべて見なければなりません。これらについて古くからいろいろな考えを持ち出した人々もあったのですが、それよりも大切なのは、実験を行ってそれを事実の上で明らかにすることです。ところで、このような実験を始めて実際に行ったのが、ここでお話ししようとするメンデルなので、それで今日ではこのメンデルの仕事を記念する意味で、遺伝学のことをメンデリズムとも呼んでいるのです。いずれにせよメンデルの遺伝に関する研究は、生物学の上で非常に大きな意味をもっているものにちがいないのです。
メンデルの生涯