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TORENDIA

冬の法隆寺詣で

本文約2,400字 ・ 読了時間 約5分

あらすじ(AIが作成しました)

十二月中旬、法隆寺へ向かう習慣を長年続ける筆者が、その古寺詣での心境や仏像への独自の眼差しを綴る。美術研究の知識を持たず、静かな冬の奈良で仏像と対峙し、秘仏の在り方や観音像の美しさに想いを巡らせる。また、道中で触れた歴史小説を通じて宗教的な求道心について考察し、自身の無意味ともいえる旅の足跡を振り返る。宗教的な参拝と世俗的な食欲を対比させながら、何気ない日常の重なりを淡々と描く随筆である。

正宗白鳥

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🎧 冬の法隆寺詣で / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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十二月中旬、私は法隆寺詣でをした。私は青年のころから今日までに幾度この寺へ行ったことか。さして意味のある事ではないので、ただ何かのはずみで身に着いた習慣を追っているようなものである。半世紀あまりも前に、Y新聞の美術面担任記者となった時、それでは奈良の寺院や仏像ぐらいは、一通り見て置かねばなるまいと思い立って、上野の博物館員の紹介状をもらって出掛けた。法隆寺では、夢殿の観音の修理をしていた。私はいわれ因縁を知らず、この秘仏の有難味を知らず、ただの枯木の仏体を見たのに過ぎなかった。

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