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TORENDIA

菖蒲湯

本文約360字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

新緑の五月、菖蒲湯のすがすがしい香りに古俗の心ゆかしさを感じながら、季節の移り変わりと更新の喜びを綴る幸田露伴の随筆。

幸田露伴

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🎧 菖蒲湯 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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五月といつても陽暦と陰暦とでは一月ほど差がある。しかし五月といへば、たとへそれが今のは昔のの四月に当るにしても、木の芽は張りきれ、土の膏はうるほひ溢れ、天の色はあたゝかみと輝きとを増して、万物に生長と活動とを促がし命ずるやうな勢を示してくる、爽快な季節である。

新緑の間に鯉幟のはためく、日の光に矢車のきらめく、何と心よいものではないか。檐の菖蒲こそ今は見えぬが、菖蒲湯のすが/\しい香り、これも一寸古俗に心ゆかしさを感じさせられる。しかし何も彼も更新の時である、菖蒲も煮くたしたやうになつては野暮だ、清らな新湯へ、さつと菖蒲を打込んだ其わづかの間に、湯烟の中から、すいとした、もたれつ気の無いに[#「に」はママ]浸されるところに嬉しい、新しみの強い、いき/\した、張りのあるいゝ気持をおぼえるのだ。(昭和八年五月)

完

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