TRENDIA CLASSIC

うまい商売

グリム Grimm

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あるお百姓さんが、牝牛を市場へ追っていって、七ターレルで売ってきました。かえり道に、池のはたをとおらなければなりませんでした。まだ池までこないうちに、もう遠くのほうから、カエルたちが「アク、アク、アク」と、ないているのがきこえてきました。

「まったく、うるさくがなりたてやあがる。」

と、お百姓さんはひとりごとをいいました。

「おらのもらった金は七だぞ。八じゃねえや。」

お百姓さんは水ぎわまできますと、カエルたちにむかって、

「てめえたちゃ、なんてばかだ! わからねえのかよ。七ターレルだぞ。八じゃねえんだ。」

と、どなりました。

それでも、カエルたちは、やっぱり「アク、アク、アク」と、なきつづけています。

「ようし、ほんとにしねえんなら、てめえたちの目のまえで勘定してみせてやらあな。」

こういって、お百姓さんはポケットから金をとりだして、二十四グロッシェンずつで一ターレルと、合計七ターレルをかぞえあげてみせました。

けれども、カエルたちは、そんな勘定にはおかまいなしに、またもや、「アク、アク、アク」と、なきたてました。

「ええい。」

と、お百姓さんはすっかり腹をたててどなりつけました。

「これでも気がすまねえんなら、てめえたちで勘定しろい。」

そして、カエルたちのいる水のなかへ、金をそっくりほうりこみました。お百姓さんはそのまま立っていました。カエルたちが勘定をすまして、金をかえしてくれるまで、待っているつもりだったのです。ところが、カエルたちはがんこで、ひっきりなしに、「アク、アク、アク」と、なきたてるばかりです。そして、金などはなげかえしてもくれませんでした。

お百姓さんはなおしばらく待っていましたが、そのうちに日がくれてきましたので、うちへかえらなければならなくなりました。そこで、カエルたちを口ぎたなくののしって、どなりました。

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