わらと炭と豆
本文約1,600字 ・ 読了時間 約4分
あらすじ(AIが作成しました)
ある村のまずしいおばあさんの家から、運よく煮られずにすんだわらと炭と豆が、連れ立って旅に出る。三人は小さな流れを渡ろうとするが、橋がなく途方に暮れる。わらが橋代わりとなって横たわるが、炭は恐怖で動けなくなり、わらも燃え尽きて流れに落ちてしまう。一部始終を見ていた豆は笑いすぎて体がはじけてしまうが、居合わせた仕立屋に縫い合わせてもらう。この出来事が、現代の豆に黒い縫い目がある理由を説く物語である。
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ある村に、ひとりのまずしいおばあさんが住んでいました。おばあさんは豆をひとさらあつめて、煮ようと思いました。そこで、おばあさんはかまどに火をおこす用意をしました。そして、火がはやくもえつくように、ひとつかみのわらに火をつけました。
おばあさんが豆をおなべにあけるとき、知らないまに、ひとつぶだけおばあさんの手からすべりおちました。その豆は、床の上のわらのそばに、ころころところがっていきました。すると、すぐそのあとから、まっかにおこっている炭がかまどからはねだして、このふたりのところへやってきました。
すると、わらが口をきいて、いいました。
「おまえさんたち、どこからきたんだね。」
炭がこたえました。
「おれは、うまいぐあいに、火のなかからとびだしてきたんだよ。こうでもしなかったら、まちがいなしにおだぶつさ。もえて、灰になっちまうにきまってるもの。」
こんどは、豆がいいました。
「あたしもぶじににげてきたわ。あのおばあさんにおなべのなかへいれられようものなら、ほかのお友だちとおんなじように、なさけようしゃもなく、どろどろに煮られてしまうところだったのよ。」
「おれだって、にたりよったりのめにあってるのさ。」
と、わらがいいました。
「おれの兄弟たちは、みんなあのばあさんのおかげで、火をつけられて、煙になっちまったんだ。ばあさんたら、いっぺんに六十もつかんで、みんなの命をとっちまったのさ。おれだけは、運よくばあさんの指のあいだからすべりおちたからいいけどね。」
「ところで、おれたちはこれからどうしたらいいだろう。」
と、炭がいいました。
「あたし、こう思うのよ。」
と、豆がこたえました。
「あたしたちは運よく死なずにすんだんですから、みんなでなかよしのお友だちになりましょうよ。そして、ここでもう二度とあんなひどいめにあわないように、いっしょにそとへでて、どこかよその国へでもいきましょう。」
この申し出は、ほかのふたりも気にいりました。そこで三人は、つれだってでかけました。