TRENDIA CLASSIC

わらと炭と豆

グリム Grimm

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ある村に、ひとりのまずしいおばあさんが住んでいました。おばあさんは豆をひとさらあつめて、煮ようと思いました。そこで、おばあさんはかまどに火をおこす用意をしました。そして、火がはやくもえつくように、ひとつかみのわらに火をつけました。

おばあさんが豆をおなべにあけるとき、知らないまに、ひとつぶだけおばあさんの手からすべりおちました。その豆は、床の上のわらのそばに、ころころところがっていきました。すると、すぐそのあとから、まっかにおこっている炭がかまどからはねだして、このふたりのところへやってきました。

すると、わらが口をきいて、いいました。

「おまえさんたち、どこからきたんだね。」

炭がこたえました。

「おれは、うまいぐあいに、火のなかからとびだしてきたんだよ。こうでもしなかったら、まちがいなしにおだぶつさ。もえて、灰になっちまうにきまってるもの。」

こんどは、豆がいいました。

「あたしもぶじににげてきたわ。あのおばあさんにおなべのなかへいれられようものなら、ほかのお友だちとおんなじように、なさけようしゃもなく、どろどろに煮られてしまうところだったのよ。」

「おれだって、にたりよったりのめにあってるのさ。」

と、わらがいいました。

「おれの兄弟たちは、みんなあのばあさんのおかげで、火をつけられて、煙になっちまったんだ。ばあさんたら、いっぺんに六十もつかんで、みんなの命をとっちまったのさ。おれだけは、運よくばあさんの指のあいだからすべりおちたからいいけどね。」

「ところで、おれたちはこれからどうしたらいいだろう。」

と、炭がいいました。

「あたし、こう思うのよ。」

と、豆がこたえました。

「あたしたちは運よく死なずにすんだんですから、みんなでなかよしのお友だちになりましょうよ。そして、ここでもう二度とあんなひどいめにあわないように、いっしょにそとへでて、どこかよその国へでもいきましょう。」

この申し出は、ほかのふたりも気にいりました。そこで三人は、つれだってでかけました。

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