「テーブルよ、ごはんの用意」と、金貨をうむロバと、「こん棒、ふくろから」
本文約12,600字 ・ 読了時間 約26分
あらすじ(AIが作成しました)
三人のむすこをもつ仕立屋は、飼っていたヤギの嘘を信じ込み、むすこたちを家から追い出してしまう。やがて、ヤギの嘘が発覚して仕立屋は後悔するが、家を出たむすこたちはそれぞれ修行先で、食べ物を用意するテーブルや金貨を出すロバといった不思議な贈り物を得る。再会した親子が協力し、嘘つきのヤギを追い払うまでを描く。
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むかしむかし、ひとりの仕立屋さんがおりました。仕立屋さんは三人のむすこと、それから、ただ一ぴきのヤギをもっていました。
ところでこのヤギは、そのお乳でみんなをやしなっていたのですから、よいえさをもらわなければなりません。それで、まい日草原へつれだしてもらいました。むすこたちも、じゅんじゅんにこの役めをやっていました。
あるとき、いちばん上のむすこが、それはそれはみごとな草のはえている墓地にヤギをつれていって、草を食べさせたり、そこらをとびまわらせたりしました。
やがて日がくれて、家へかえるころになりましたので、いちばん上のむすこは、
「ヤギや、おなかはいっぱいかい。」
と、たずねました。
すると、ヤギはこたえていいました。
おなかはいっぱいだ
もうひとっ葉もいらないよ メエ メエ
「それじゃ、うちへかえろう。」
と、むすこはいいました。
それから、むすこはヤギのつなをつかんで、ヤギ小屋のなかへつれていき、そこにしっかりとつなぎました。
「どうだな、ヤギはえさをたくさん食べたか。」
と、年とった仕立屋さんがたずねました。
「ええ、ヤギはおなかがいっぱいで、もうひとっ葉もいらないんですって。」
と、いちばん上のむすこがこたえました。
けれども、おとうさんはそれをじぶんでたしかめようと思って、ヤギ小屋へおりていきました。そして、かわいいけものをなでながら、
「ヤギや、おまえは、ほんとうにおなかがいっぱいかい?」
と、きいてみました。
すると、ヤギはこたえました。
なんでいっぱいになるもんかい
お墓の上をとんでいただけで
葉っぱなんか一枚もありゃあしなかった メエ メエ
「なんてことだ。」
と、仕立屋さんはさけびざま、かけあがっていって、むすこにむかって、
「やい、このうそつきめ、ヤギは腹がいっぱいだなんていいやがって、ひぼしにしたじゃないか。」
と、いいました。そして、仕立屋さんは腹だちまぎれに、壁からものさしをとって、むすこをピシピシうって、家から追いだしてしまいました。