TRENDIA CLASSIC

「テーブルよ、ごはんの用意」と、金貨をうむロバと、「こん棒、ふくろから」

グリム Grimm

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むかしむかし、ひとりの仕立屋さんがおりました。仕立屋さんは三人のむすこと、それから、ただ一ぴきのヤギをもっていました。

ところでこのヤギは、そのお乳でみんなをやしなっていたのですから、よいえさをもらわなければなりません。それで、まい日草原へつれだしてもらいました。むすこたちも、じゅんじゅんにこの役めをやっていました。

あるとき、いちばん上のむすこが、それはそれはみごとな草のはえている墓地にヤギをつれていって、草を食べさせたり、そこらをとびまわらせたりしました。

やがて日がくれて、家へかえるころになりましたので、いちばん上のむすこは、

「ヤギや、おなかはいっぱいかい。」

と、たずねました。

すると、ヤギはこたえていいました。

おなかはいっぱいだ

もうひとっ葉もいらないよ メエ メエ

「それじゃ、うちへかえろう。」

と、むすこはいいました。

それから、むすこはヤギのつなをつかんで、ヤギ小屋のなかへつれていき、そこにしっかりとつなぎました。

「どうだな、ヤギはえさをたくさん食べたか。」

と、年とった仕立屋さんがたずねました。

「ええ、ヤギはおなかがいっぱいで、もうひとっ葉もいらないんですって。」

と、いちばん上のむすこがこたえました。

けれども、おとうさんはそれをじぶんでたしかめようと思って、ヤギ小屋へおりていきました。そして、かわいいけものをなでながら、

「ヤギや、おまえは、ほんとうにおなかがいっぱいかい?」

と、きいてみました。

すると、ヤギはこたえました。

なんでいっぱいになるもんかい

お墓の上をとんでいただけで

葉っぱなんか一枚もありゃあしなかった メエ メエ

「なんてことだ。」

と、仕立屋さんはさけびざま、かけあがっていって、むすこにむかって、

「やい、このうそつきめ、ヤギは腹がいっぱいだなんていいやがって、ひぼしにしたじゃないか。」

と、いいました。そして、仕立屋さんは腹だちまぎれに、壁からものさしをとって、むすこをピシピシうって、家から追いだしてしまいました。

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