なぞ
本文約3,700字 ・ 読了時間 約8分
あらすじ(AIが作成しました)
世の中を知るために旅に出た王子は、魔女の住む家で毒を仕込まれた馬の肉を口にしたカラスを拾う。やがて人殺しが集まる宿屋に泊まった一行は、そのカラスの肉を料理させて供したことで、意図せずして悪人たちを退治する。その後、王子は難問を解いた者が結婚できるという風習を持つ町へ辿り着く。お姫様が自ら忍び寄るほど難解な謎を王子が突きつけ、その知恵と機転によって物語は展開していく。
💰 この本を応援する(投げ銭)
むかし、あるところに、ひとりの王子がおりました。王子は世のなかを歩きまわってみたくなりましたので、忠義な家来をひとりだけつれてでかけました。
ある日のこと、王子は、とある森のなかにはいりこみました。そのうちに、日がくれてきました。けれども、まだ宿屋が見つかりません。それで王子は、今夜はどこで夜をあかしたものだろうかと、とほうにくれてしまいました。
と、そのとき、ひとりのむすめが小さい家のほうへ歩いていくのが、目にとまりました。そこで、近よってみますと、それはわかいきれいなむすめでした。王子はむすめに声をかけて、いいました。
「むすめさん、今夜ひと晩、わたしと家来とをとめてもらえませんかね。」
「それはまあ、おとめすることはできますけど。」
と、むすめはかなしげな声でいいました。
「おすすめはいたしませんわ。おはいりにならないほうがようございます。」
「どうしていけないのですか。」
と、王子がたずねました。
むすめはため息をついて、こたえました。
「じつは、あたしのまま母はわるい術をつかいますし、それに、よそのかたにはしんせつにしないんですの。」
これをきいて、王子は魔女の家へきたことを知りました。けれども、もうまっくらで、これいじょうさきへいくことはできません。それに、べつにこわいとも思いませんでしたので、王子はなかへはいりました。
ばあさんは、炉ばたのひじかけいすにこしかけていましたが、赤い目で旅の人たちをじろっとながめました。そして、
「よくきたね、こしをおろして、ゆっくりやすむがいい。」
と、しゃがれ声でいいました。けれども、そのようすはいかにもしんせつそうでした。
ばあさんは、ぷうぷう炭をふいて、小さなふかいなべをかけ、なにかを煮はじめました。それを見ますと、むすめはふたりに気をつけるように注意して、
「まま母はわるい飲みものをつくっているんですから、どんなものでものんだり、食べたりしてはいけませんよ。」
と、もうしました。
ふたりは、あけがたまでぐっすりねむりました。
ふたりはでかけるしたくをすっかりととのえて、王子ははやくも馬にのりました。そのとき、ばあさんがいいました。