ハツカネズミと小鳥と腸づめの話
本文約2,100字 ・ 読了時間 約5分
あらすじ(AIが作成しました)
ハツカネズミと小鳥と腸づめは、役割分担を決め仲良く共同生活を送っていた。しかし、周囲の言葉に触発された小鳥の提案でくじ引きを行い、それぞれの担当を変更する。森へ薪拾いに出かけた腸づめが戻らず、料理番となったハツカネズミも調理中に身動きをとり失敗し、残された小鳥も不慮の事態に追い込まれる。本作は、分相応な生活を捨てて役割を変えたことで次第に均衡が崩れていく三者の姿を描く。
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むかしむかし、ハツカネズミと小鳥と腸づめがなかまになって、一家をもちました。長いあいだ、みんなはいいぐあいになかよくくらして、財産もだいぶこしらえました。
小鳥のしごとは、まい日森のなかをとびまわって、たきぎをとってくることでした。ハツカネズミは水をくんで、火をおこし、おぜんごしらえをする役めです。それから、腸づめは煮たきをすることになっていたのです。
しあわせすぎるものは、なにかかわった、あたらしいことをやってみたがるものです。そんなわけで、ある日、小鳥はとちゅうでほかの鳥にであって、じぶんの身のすばらしいしあわせを話して、さかんにじまんしました。ところが、その鳥は、
「おまえはばかだな。おまえはほねのおれるしごとをしているのに、ほかのふたりはうちでらくをしているじゃないか。」
と、小鳥をこばかにしていいました。
なるほど、そういわれれば、たしかにそのとおりです。だって、ハツカネズミは火をおこして、水をくんでしまえば、あとはじぶんのへやにはいって、おぜんごしらえをしろといわれるまでは、やすんでいられます。腸づめは土なべのそばにいて、食べものの煮えぐあいを見ていればいいのです。そうしているうちに、ごはんどきになったら、おかゆか、煮もののなかを、せいぜい四回もころがりまわれば、それで油っけも塩っけもうまくついて、したくもできあがりというわけです。そこへ小鳥がかえってきて、おもたい荷をおろすのです。そこで、みんなはおぜんについて、やがてごはんがすみますと、あしたの朝までぐっすりねむります。なるほど、まことにもってすばらしいくらしです。
小鳥は、ほかの鳥に知恵をつけられたものですから、つぎの日は、
「ぼくは、もうずいぶん長いあいだ下男しごとをやってきた。まるで、きみたちにばかにされていたようなもんだ。ここらでひとつ役めをかえて、ちがったやりかたをしてみようじゃないか。」
と、いって、どうしても森へいこうとはしませんでした。