ブレーメンの音楽師
本文約4,100字 ・ 読了時間 約9分
あらすじ(AIが作成しました)
年老いて主人に捨てられたロバ、犬、ネコ、オンドリの四ひきは、音楽隊に入るためにブレーメンを目指す。道中で夜を明かすために見つけた家には泥棒たちが集まっていた。動物たちは相談の末、鳴き声を合わせて窓から飛び込み、泥棒たちを追い払う。住み着いた家で彼らは平和に暮らし、元の持ち主の元へは戻らず、新しい住処で音楽師としての夢を叶えながら安らぎを見つける。
💰 この本を応援する(投げ銭)
ある人が一ぴきのロバをもっていました。そのロバは、長い年月のあいだ、しんぼう強く、背中にふくろをしょっては、水車小屋まではこんでいました。でも、そのうちに、力もなくなってきて、だんだんこのしごとができないようになりました。
そこで、主人は、ここらで、ロバにかいばをやるのはやめるとしよう、と、考えました。
ところが、ロバのほうでも、じぶんにぐあいのよくないようすを見てとって、さっさと主人のうちをにげだしました。そして、ブレーメンという町にむかって歩いていきました。ロバの考えでは、その町にいけば、町の音楽隊にやとってもらえるかもしれないと、思ったのです。
しばらくいきますと、一ぴきの猟犬が道にねころがって、口をあけて、ハア、ハア、やっていました。そのようすは、さんざん走りまわったために、すっかりくたびれてしまったとでもいうようでした。
「おい、あばれんぼう、きみはどうしてそんなに、ハア、ハア、やってるんだ。」
と、ロバはたずねました。
「いや、じつはね。」
と、犬がいいました。
「おれもすっかり年をとっちまって、からだが日ましによわってきたのさ。で、狩りにでかけても、むかしのようにかけまわれやしない。だもんだから、主人がおれを殺そうとするんだ。それで、あわててにげだしてきたってわけなんだが、さてこれからさき、どうやってめしにありついたもんだろうなあ。」
「そんなら、どうだい。」
と、ロバはいいました。
「おれは、これからブレーメンへいって、あの町の音楽師になろうと思っているところだが、きみもいっしょにいって、音楽隊にやとってもらったら。おれはギターをひくから、きみはたいこをたたきなよ。」
それをきいて、犬はすっかりよろこびました。そこで、二ひきはいっしょにでかけました。
すこし歩いていきますと、一ぴきのネコが道ばたにすわりこんで、三日も雨にふりこめられたような顔をしていました。
「おや、ひげなでばあさん、なにをそんなにこまってるんだね。」
と、ロバはたずねました。
「命にかかわることだもの、のんきにかまえちゃいられないさ。」
と、ネコはこたえました。