ホレおばあさん
本文約4,100字 ・ 読了時間 約9分
あらすじ(AIが作成しました)
働き者の姉と怠け者の妹という対照的な姉妹が、不思議な泉の先にあるホレおばあさんのもとで奉公する物語。泉に落ちた糸巻きを追いかけて異世界へ迷い込んだ姉は、おばあさんの家で誠実に働き、帰還時に金に覆われる幸運を得る。一方、姉の成功を妬んだ妹も同様に異世界へ行くが、傲慢な態度で奉公を怠る。その結果、妹は帰還時に金ではなくチャンを浴びせられ、その汚れが一生身体から離れなくなる姿を描く。
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ある後家さんに、ふたりのむすめがありました。そのうちのひとりははたらきもので、美しい子でしたが、もうひとりはみにくいうえに、たいへんななまけものでした。
けれども、後家さんはこのみにくいなまけもののほうの子をずっとかわいがっていました。だって、この子はじぶんのほんとうのむすめなんですからね。もうひとりの女の子のほうは、うちじゅうのしごとをなにからなにまでやって、年がら年じゅう、灰だらけになっていなければなりませんでした。
かわいそうな女の子は、まい日大通りへでて、泉のそばにこしをおろして、指から血がでてくるほど、たくさんの糸をつむがなければなりませんでした。
さて、あるときのことでした。糸巻きが血だらけになりましたので、女の子は泉にかがみこんで、糸巻きをきれいにあらおうとしました。ところが、糸巻きは女の子の手からするっとすべって、泉のなかにおちてしまいました。
女の子は泣きながら、まま母のところへかけていって、とんでもない失敗をしたことを話しました。ところが、まま母は女の子をひどくしかりつけました。しかも、女の子をすこしもかわいそうだなどとは思わないで、こういいました。
「糸巻きはおまえがおとしたんだから、じぶんでひろっといで。」
こういわれて、女の子はすごすごと泉のところへひきかえしました。けれども、どうしていいのかわかりません。とうとう、思いあまって、女の子は糸巻きをとるために、泉のなかへとびこみました。と、女の子は気をうしなってしまいました。
やがて、ふと気がついて、われにかえったときには、どうでしょう、女の子は美しい草原にいるではありませんか。お日さまはきらきらとかがやいて、あたりには何千という花がさきみだれているのです。
女の子がこの草原を歩いていきますと、やがてパン焼きかまどのあるところへきました。かまどのなかには、パンがいっぱいはいっていました。ところが、そのパンが大きな声でよびかけました。
「ああ、ぼくをひっぱりだしてくださあい。ひっぱりだしてくださあい。でないと、ぼくは焼け死んでしまいます。もうとっくに焼けあがっているんですもの。」