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TORENDIA

右門捕物帖

本文約26,200字 ・ 読了時間 約53分

あらすじ(AIが作成しました)

武州忍の城下を舞台に、江戸の同心・むっつり右門が知恵伊豆こと松平伊豆守から密命を受け、事件の解明に乗り出す。右門は虚無僧に変装して町に潜入し、辻斬りの手口や傷跡を冷静に分析する。捜査の過程で、ある女性の秘められた恋心や悲しい因縁に触れ、右門は立場を超えた葛藤を抱きながらも、江戸へと帰還する物語。

佐々木味津三

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――今回は第三番てがらです。

しかし、今回の三番てがらは、前回と同様捕物怪異談は怪異談でございますが、少々ばかり方角が変わりまして、場所はおひざもとの江戸でなく、武州忍のご城下に移ります。江戸八丁堀の同心が不意になわ張りを離れて、方面違いも方面違いの武州くんだりまでも飛び移るんですから、なかにはさだめし不審に思われるおかたもございましょうが、不審に思った者はなにもあなたがたばかりではなく、本人のむっつり右門もまた同様で、あの生首事件――前回に詳しくご紹介いたしましたあの生首事件がかたづいてちょうど八日めのお昼すぎでした。いいこころもちで右門がお組屋敷の日当たりのいい縁側にとぐろを巻きながら、しきりと例のように無精ひげをまさぐっていると、突然数寄屋橋から急使があって、旅のしたくをととのえ即刻ご番所まで出頭しろという寝耳に水のお達しがあったものでしたから、めったには物に動じないむっつり右門も、少々ばかりめんくらったことでした。

「近ごろのだんなの色男ぶりときちゃ業平もはだしの人気なんだから、ひょっとするとなんですぜ、だんなに首ったけというどこかの箱入り娘が、ご番所の名まえをかたって、だんなを道行きにおびき出したのかもしれませんぜ」

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