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TORENDIA

右門捕物帖

本文約21,400字 ・ 読了時間 約43分

あらすじ(AIが作成しました)

五月の晦日、尾州徳川家の参覲交替を迎える品川宿で、前代未聞の不審な事件が勃発する。将軍家ご名代・松平伊豆守の警護に同行していた捕物名人・近藤右門は、行列の側を駆け抜ける不審な駕籠を目撃する。右門は、かつてのお喜久の方の素姓を隠そうとする尾州家側の事情を察し、事件に関わった宗助を自身の裁量で処理するよう尾州家へ上申する。事件解決後、右門は従者と共に初夏の風を感じながら帰路につく。

佐々木味津三

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――ひきつづき第十六番てがらにうつります。

事件の勃発いたしましたのは、五月のちょうど晦日。場所は江戸第一の関門である品川の宿、当今の品川はやけにほこりっぽいばかりで、さざえのつぼ焼きのほかは、あってもなくてもいいような、場末の町ですが、このお時代の品川となると、いろいろな点から、なかなかふぜいのあったもので、上方から下ってきた旅人には、ほっと息をつくやれやれの宿、江戸をあとに旅立つ者には、泣きの涙の別れの関所――。古い川柳の中にもこんなのがございます。

「品川で遺言をする伊勢参り――」

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