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TORENDIA

運命は切り開くもの

本文約4,500字 ・ 読了時間 約10分

あらすじ(AIが作成しました)

生誕の環境や容姿といった先天的な運命の存在を認めつつ、それらがすべてではないことを論じる。占術や人相を盲信して自らの向上心を損なう態度の誤りを指摘し、人の運命は心掛けや行動を通じて後天的に開拓できると説く。先天的運命に惑わされることなく、今自分が何をすべきかを考え、徳を積み自らを修めることこそが、人生をより良く生きるための道であると提言する随筆である。

幸田露伴

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🎧 運命は切り開くもの / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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此処に赤ン坊が生れたと仮定します。其の赤ン坊が華族の家の何不足無いところに生れたとします。然する時は此の赤ン坊は自然に比較的幸福であります。又食ふや食はずの貧乏の家で、父たる者は何処かへ漂浪して終つて居るやうな場合の時、たゞ一人の淋しい生活をして居る婦人から生れたと致します。然る時はこの赤ン坊は自然に比較的不幸福であります。善事をした訳でも悪事をしたわけでも無くて、貴家に生れると窮乏の家に生れるとで其の赤ン坊の運命は大なる差があります。この大なる差を赤ン坊のせゐにするのは不道理でして、これは前定的運命を其赤ン坊が負うて居るのです。また同じ赤ン坊でも器量良く生れるのも、器量悪く生れるのもあります。誰も美しく生れたいと思つて生れたものも無く、醜く生れたいと思つたものも無い、天然自然に親にあやかり、又は先祖にあやかり、他の者にあやかつて生れるだけの事ですが、美しく生れたものは其の美しく生れたために、醜く生れたものとは自然に異つた運命を有する訳になります。ですから是は運命前定にちがひ有りません。

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