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TORENDIA

馬琴の小説とその当時の実社会

本文約7,700字 ・ 読了時間 約16分

あらすじ(AIが作成しました)

曲亭馬琴の小説と当時の実社会との関係を論じる。著者は、馬琴が過去の時代を舞台に非現実的な登場人物を描きながらも、当時の人々の信仰や思想を反映させている点に注目する。また、当時の風俗を写した他の作者と異なり、馬琴は自身の道義心や芸術的意見に基づき、実社会とは直角に交叉するような独自の視点で作品を構築したと評価し、小説と社会の関わりを考察する。

幸田露伴

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皆さん。浅学不才な私如き者が、皆さんから一場の講演をせよとの御求めを受けましたのは、実に私の光栄とするところでござります。しかし私は至って無器用な者でありまして、有益でもあり、かつ興味もあるというような、気のきいた事を提出致しまして、そして皆さんの思召に酬いる、というような巧なる事はうまく出来ませぬので、已むを得ず自分の方の圃のものをば、取り繕いもしませんで無造作に持出しまして、そして御免を蒙るという事に致すことにしました。ちょうど温かい心もちが無いのではありませんが、機転のきかない妻君が、たまたまの御客様に何か薦めたい献りたいと思っても、工合よく思い当るものが無いので、仕方なしに裏庭の圃のジャガイモを塩ゆでにして、そして御菓子にして出しました、といったような格でありまして、まことに智恵の無い御はずかしい事でありますが、御勘弁を願います。

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