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TORENDIA

神話と地球物理学

本文約2,700字 ・ 読了時間 約6分

あらすじ(AIが作成しました)

日本の神話と地球物理学の関連性を論じる。気候風土の特徴が反映された各国の説話と同様、記紀などに記された日本の神話には、火山の噴火、地震、地形の変化といった日本の国土に固有の自然現象を連想させる記述が随所に見られる。著者は、神々の物語の中に自然現象の描写が採用されたと解釈し、従来の学説とは異なる地球物理学の視点から、神話が包含する史実や民族の魂の由来について考察を収める。

寺田寅彦

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われわれのように地球物理学関係の研究に従事しているものが国々の神話などを読む場合に一番気のつくことは、それらの説話の中にその国々の気候風土の特徴が濃厚に印銘されており浸潤していることである。たとえばスカンディナヴィアの神話の中には、温暖な国の住民には到底思いつかれそうもないような、驚くべき氷や雪の現象、あるいはそれを人格化し象徴化したと思われるような描写が織り込まれているのである。

それで、わが国の神話伝説中にも、そういう目で見ると、いかにも日本の国土にふさわしいような自然現象が記述的あるいは象徴的に至るところにちりばめられているのを発見する。

まず第一にこの国が島国であることが神代史の第一ページにおいてすでにきわめて明瞭に表現されている。また、日本海海岸には目立たなくて太平洋岸に顕著な潮汐の現象を表徴する記事もある。

島が生まれるという記事なども、地球物理学的に解釈すると、海底火山の噴出、あるいは地震による海底の隆起によって海中に島が現われあるいは暗礁が露出する現象、あるいはまた河口における三角州の出現などを連想させるものがある。

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